すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

小説を書くとはどういうことか

書きあぐねている人のための小説入門

書きあぐねている人のための小説入門


読み終わりました。ぼくは作家志望ではありませんが、文章を書くこと自体は好きなので、参考になるかと思いときどきこの手の本を読みます。これは、薦められる本だと思う。『言語表現法講義 (岩波テキストブックス)』『プロ編集者による文章上達秘伝スクール』に続く3冊目の、モノカクヒトに薦めたい本。

でもこの本は、薦めたいのだけど、多くの人には何が書かれているのかちゃんと理解はできないのではないかと思います。すごく、小説について、突き詰めきったところから書かれている。そういうふうな、力をふりしぼって考える、というのがどのようなことなのか知っている人でないと、わからないのではないか。そんな気がします。

だいたいこの本で小説と言われているものは、世間で言われているそれと相当違う。もちろん保坂さんはこれこそが小説だと考えているのでしょうが、曰く「小説にストーリーはいらない」「風景をできる限り詳細に書け」「ネガティブなものを書くな」「社会問題を書くな」「結末を決めて書くな」「テーマはいらない」「読んだ後あらすじを言えるようなものはだめだ」「手直しするな」……というふうで、つまりこれは大塚英志氏の『物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫)』や『キャラクター小説の作り方』の正しく対極に位置するようなアレで、要するにこれをいくら読んでもラノベは書けねーよと(一般に小説と言われるものの大半を、保坂さんは「ストーリー小説」と呼ぶ)。小説の世界に新しい何かを持ち込み、領土を拡げるものだけがほんとうの小説だ、ということです。

でも「ものを考える」力は付くと思う、この本で。というかこの本は小説を極めすぎて「生きること」に近づいちゃってる。まぁ、なんでも極めると結局そっち方面に近づくもので、だから職業は違っても極めた者同士なら話が通じるのだ、と思う。そして実は保坂さんの本は『世界を肯定する哲学 (ちくま新書)』と『小説の自由』とこれを読んだだけでまだ小説は一冊も読んでないワタシですが、申し訳ないのでこんど『プレーンソング (中公文庫)』を読んでみようと思います。

東京暮らし

< 賃貸 マンション >
シャワールーム、コインランドリー、ベッド有


はてブ経由。足立区日ノ出町、洋室1.7畳、家賃2.9万の物件。つーか外観の写真もマンションに見えやしないし、内装の写真見ると言葉もない。そして間取りをクリックで拡大。

「事務所可、2人入居可」って、いやそれ、有り得ないですから。

フィギュアかけ族

『嫌オタク流』を半分読みました。51ページより引用。

中原 あと、アイコラはフォトショップの練習として作ったことがあるけど。
海猫沢 練習としては間違っていない。楽しかったですか?
中原 楽しかったけど、すぐに飽きた。
海猫沢 それは人形遊びと同じですよ。自分の掌の中に人体があるような。で、最終的にはその人形にブッカケですよ。新しい2.5次元コミュニケーション!
中原 ……そういうのに課金できないですかね。
高橋 課金!?(笑)
中原 一ブッカケにつき250円とか。税収に結びつけるために。
海猫沢 絶対に払わない(笑)。みんなやってないのかな? オレだけなのかな……。
高橋 それはSF的なファンタジーですね。巨大化した自分が小さな女に大量の精液をかける、みたいな。
中原 ということは、他人の家にあるフィギュアの臭いは嗅いじゃいけないのかな?
海猫沢 それは危ないですよ。あんまり触らない方がいい(笑)。
高橋 精液がフィギュアの関節の隙間に入ったりしないんですか?
海猫沢 する。小さいリカちゃん人形で“リカちゃんヴィネット”というのがあるんです。大嶋優木さんが作っているやつ。その人形はどこかにクリームや泡がついていて、どう見ても精液なんですよ。大嶋さんは意識的にやっていると思うんですけど。
中原 なるほどなあ。

やってないよ! やってない。やってんの? してるのか? どうなんでしょうそれ、そういうの、いまどきはふつうなの? この本前半は「中原昌也+高橋ヨシキ」×「海猫沢めろん」なんですけど、どうも、海猫沢氏が、ちょっと痛ましい人かなぁ。中原高橋の2人が、オタクってどうなってんのアレとかソレとか、って聞いて海猫沢氏が「オタクはこう考えてるんですよ」と答えるわけですが、ええ?そうかぁ?みたいなんが多いというか。居もしないオタクについて語られてる感じ。でもそうでもないのかなぁ。最近のオタクはここまで進んでるんですか?(病状が)

深い考察までは辿りつかないオタク批判と、オタクをネタにしたバカ話(「課金」とか)がとりとめなく続く感じ。そういうのも好きなのでそれなりに面白かった。後半は2人×更科修一郎氏だからまた違いますねきっと。先に見ちゃったけど中原氏の「おわりに」がいい。うまいよなぁ。