すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

睡眠薬の効能

睡眠薬には心理的抑圧の解放作用があるんだろうか?
某所で「飲むと理性がなくなり記憶が飛ぶ」という記事を見て、
うちのかつての同居人もそうだったよなぁ、と思い出した。


彼女は、睡眠薬を飲むといつもより活動が活発になった。
突然、普段はやらない部屋の片づけを始めたり、
ネットにアクセスしまくったり、深夜なのに友達に電話したりと、
傍若無人ぶりを遺憾なく発揮した。やめろっても聞きやしない。

騒いでるうちに、薬の効き目が弱まり眠れなくなったりもする。
「眠れない〓っ」と、こちらの睡眠までも邪魔した挙げ句、
翌朝になると、昨晩の乱行を覚えていないのだ。
なんつーか迷惑極まりないんである。


その晩も、薬を飲んでから夜行性動物のように活動を開始し、
ひととおり騒ぎ散らかした後に、ふっと彼女はトイレに入った。

……出てこないんである。しばらくたったのに。

嫌な予感がした。ドアをノックしたり呼び掛けても反応ナシ。
仕方なく、ドアの鍵を外からドライバーでこじ開けた。


惨状でした。


大量に引き出されたトイレットペーパーが床に折れ重なり、
そのところどころに血……。
ペーパーの海の中で彼女は、便座のふたにもたれかかり、
下半身まるだしでくぅくぅと眠っていた。
ナプキン交換中に睡魔に襲われ、善戦むなしく事切れたようだ。

うわぁ… と思ったが放置して寝るわけにもいかない。

トイレットペーパーを幾度か手に巻き付けて彼女の脚の間を拭き、
新しい夜用の!羽根付きの!ロングの!を袋から取り出し
どうにかこうにか下着にセッティングして、それを履かせた
古いナプキンは適当に始末してゴミ箱へ放り込んだ。

トイレの個室の狭い中で彼女を背負うのは難しそうだったので、
両の脇の下に背後から手を入れ、後ろ向きにズルズルと
死体でも運ぶようにトイレから引っ張り出した。
ベッドまで引きずってる間、体勢的にどこか痛いのか苦しいのか、
苦悶の表情で「うう…うう…」と呻き声を漏らしていた。

(……老人介護って、こんな?)と、ふと思った。←ちがいます

ベッドに彼女を寝かせて布団をばふっ!と被せ、
散らかったトイレの後片づけをして、寝た。どっと疲れた。


さっさと寝るがいいわ、と思うんですけどね。クスリ飲んだら。
ろくなことになりはしないのだから。


それで翌朝、やーっぱり彼女は覚えてなかったんであった。
なんつーか、迷惑極まりないんである。