すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

たったひとつのもの

「いいクルマ」は、たぶん車好き人間の数だけ存在する。だが「いいスピーカー」は世の中に1種類しか存在しない。それがタイムドメインスピーカーだ。

いい車が数多く存在する理由は、人により評価ポイントが異なるためだ。しかし、スピーカーの場合は事情が変わってくる。雑誌の評価記事では「明るく元気のある音」「切れ味がいい」「抜けるような透明感」などの言葉が並ぶ。ふ、鼻で笑わさせていただいてよろしくて? 音は言葉で表現できないから、こんなインチキがまかり通っているにすぎない。

実はスピーカーの評価ポイントはただ1点、「原音を忠実に再生できるか」だけだ。スピーカーに“個性”は必要ない。明るく元気で切れ味がよく抜けるように透明な音を作るのはサウンドクリエイターの仕事であって、スピーカーのやることじゃないのだ。仮に、被写体をより綺麗に撮るカメラがあったとして、それでダヴィンチの絵を撮ったらどうなるのか? その写真をさらにそのカメラで撮ったら? ……ほら、そんなものはあるわけないことがすぐにわかるだろう。つまり、「原音と異なる音=劣化している音」、ただそれだけの話である。

クリエイターの意図をどれだけそのまま伝えうるか、スピーカーの命はそこにしかない。タイムドメインスピーカーはそれを恐ろしいほどあっさりやってのける。初めてこのスピーカーの音を聴いた人は、まさに「耳を疑う」体験をする。原音に忠実とはいったいどういうことか? 「いま、目の前にミュージシャンがいて、演奏をしている!」ということだ。このスピーカーで音楽を再生すると、そこに演奏者が「現前する」。そうでしかありえない音が鳴る。それはとても感動的な経験だ。音はスピーカーからではなく空間から聴こえてくる。部屋の中を車が通りすぎ、ガラスのコップが砕け、小鳥たちがさえずり、波が打ち寄せる。これがお世辞でないのは、このスピーカーを持っている人にはすぐわかることだ。

車はあなたが好きなものを買えばいい。そしてスピーカーは、これを買えばいい。なぜなら、すべてのスピーカーが目指している地点がここにもうあるからだ。回り道をする必要は、ない。


※タイムドメインスピーカーは現在、「株式会社タイムドメイン」および、ライセンスを受けている「富士通テン株式会社」の2社から発売されている。複数種類の製品があるが、基本的に鳴る音は同じと考えてよい(もちろん、グレードが上がるほど「より細部が見える」感じに聴こえるようになる)。個々の製品の特徴やタイムドメイン理論の詳細などはそれぞれのHPを参照してほしい。

http://www.timedomain.co.jp/
http://www.eclipse-td.com/