すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

かたりえないものについてはー、ちんもくしなければならないー。

「マリみて」を読んでてちょっと引っかかったことがあった。べつに「マリみて」に限ったはなしではないけど「言葉にできないほど美しい」という言い回し。“言葉にできない”なんて告白、モノ書きとしての勝負を捨ててるってことだから。

あたりまえだけど、言葉で言いあらわせないようなものなんて世の中にはいっくらでもある。だけど、そこを逃げないで、言葉にするのがいくら難しくてもギリギリまでねばって、こらえて、土俵際でうっちゃりで勝てるようがんばる、というのがモノ書きとしての矜持じゃないかな? 負けるかもしれないけどやらないとね。

あ、でもこれは今野緒雪先生批判ではないのです、そんな畏れ多い。上で言ったようなことをちゃんとわかってて(いいえ、ご存じに決まってる)、それでもなお“言葉にできない”って言い回しを、他の表現と同レベルの扱いで持ち出すのは全然アリと思う。でもまぁ、魔法のランプじゃないけど、一生で書くもの全部のうち3回までかな(笑)。

というか、先生方にはもっとがんばっていただきたいんです。“言葉にできない”っていうのは、読者に委ねますってことなんだけど、「さいきんのわたしたち」は本とか読まないから「それって超キレイってこと?」みたいな、原色のプラスチックのような貧しい想像になりがちなんで(笑)。ちゃんと書いてくれないと困るんですよ。

まぁ、これはモラルじゃなくてマキシムなのかも知れないな。モノ書きじゃないひとにはどうでもいい話でした。