前回の続きです。お勉強blogです(笑)
真理値表を再掲載します。
p | q | pでない | pまたはq | pかつq | pならばq | |
~p | p∨q | p∧q | p⊃q | |||
(1) | T | T | F | T | T | T |
(2) | T | F | F | T | F | F |
(3) | F | T | T | T | F | T |
(4) | F | F | T | F | F | T |
さて、前回扱った「ならば」なんですが、実は「(pでない)または(qである)」と真理値は一緒です。「~p∨q」と書けます。上の真理値表だと、ちょうど「pでない」と「q」が隣にあるので、“または演算”して確かめてみてください。つまり「ならば」の論理記号はほんとは必要ないというわけです。さらに、「かつ」も書こうと思えば「~(~p∨~q)」と書けてしまうわけで、結局、論理学の基本的な部分は2個の論理記号、「~ でない」「∨ または」があれば足りるんでした。
が。「または」も「~(~p∧~q)」のように、「かつ」から導きだせるのです。しかも見た目も「かつ」を「または」で表すケースと対称っぽいですね。これは要するに、「または」も「かつ」もどちらも元素的な結合子ではなく、論理学の何らかの性質が記号として世に現れ出るときには、「または」「かつ」のどちらかの形式を取らざるを得ない、ということなのではないかなーと考えてます。まぁこんなこと、偉い人たちがとっくに考え済みだとは思うんですが、そこを改めてなぞってみて、自分の知恵とするのは楽しいですよね。
こうなってくると怪しいのは「でない」です。上の例でも、なんかいっぱい出てくるし。だいたい、真理値表での「でない」の扱いも変ですよね。項がひとつしかないんだから、別にあの表に無理に載せなくてもいいのです。というわけで「でない」とはなんなのか? 何を表現しているのか? が気になってます。
それにしても、「今『でない』が、とても気になる」blogは、日本中でもここぐらいじゃないのかと(笑)
「ねぇ、あたしのこと嫌い?」「べつに嫌いじゃないよ」「じゃあ、好きなんだ?」「ちょい待てやコラ」
「(嫌いでない)ならば(好きである)」は偽である、ということです。実際、そうですよね。「タルキスタンの大統領は好き?」なんて訊かれても「誰それ、ってか何処それ」って感じ。好きと嫌いの間には広大な「どうでもいい」空間があるのです。「嫌い」の否定は「好き」ではなくて「嫌いでない」なのでした。(つーと、話はちょっと逸れますが、嫌いと好きは別の性質なので、「嫌いかつ好き」は有り得る、ということになります。恋愛モノの漫画なんかに出てきますね(笑))
では、「でない」とはいったい何を語っているのか? 「pでない」とはなにか? それが「q」じゃないことは確かです。「でない」はpに石膏をかけて作った雌型のようなもの、ドーナツの穴のようなもの、「ルビンの杯」の顔のようなもので、もとの「p」の全ての形質をそのまま(反転した形で)持っていると考えられます。だから、pの「でない」を、p以外の他の何かによって言い表すことはできないはずなのです。
それでは、
「ある」の「でない」は、なにか?
続くかもしれません(ぉ