アマゾンの物流センターの実態

アマゾン・ドット・コムの光と影

面白かったので一気に読んでしまった。あえて恣意的に書く内容を抽出します。アマゾンの物流センターのアルバイトは、時給850円、昇給なし、交通費なし、契約は2ヶ月更新。1年以内に9割が辞める。在庫棚から1分に3冊の本をピックアップするノルマ。もちろん作業実績は全てコンピュータ管理。仕事がなくなれば時間前に上がらなければいけない。本のオビは、破れた場合捨ててよい。

というような現場でした、と著者の人が実際にアルバイトとして潜入取材してまとめた本。本自体にはもっと多方面からの取材情報と考察が載っていて、物流センターの話は半分くらいかな？

興味深かったのは、どうやらアマゾンとブックオフに何らかのつながりがあるのではないか？というところですね。ここはそれ以上の情報はなくって、「“中古本を新品として売っている事実はない”とアマゾンは言っている」の記述に留まってます。そりゃまあ、ないでしょうね。1冊でも中古品の証拠がある本（メモ書きとか？）が見つかった日にゃ一気に信用度がガタ落ちになるでしょう。でも、だとしたら両社にはどんな関係があるんだろう？

著者はアマゾンのやり方に嫌悪感を抱いているにも関わらず、利用者としてはどんどんアマゾンにはまっていきます。この人が自分でネットから注文した本もこのセンターで誰かがピックアップ・梱包するわけです。事によると自分が。そして潜入ルポをまとめたこの本自身もアマゾンで取り扱われ物流センターを通過していく自己言及構造っていうか全てを飲み込んでなお飄々としてるアマゾンの怖さ。

「光と影」を変換したら「光トカゲ」になった。それってかわいい？