すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

こわいもの

怖いものは好きです。苦手ですけど。好きと苦手は矛盾しません。お酒好きだけど弱いとかね。あ、でも、映像作品はだめですね。ありゃ逃げらんないから。


不安の種 (3) (ACW champion)

不安の種 (3) (ACW champion)


2巻に続いて買ってしまいました、ホラーな超短編集。3巻で完結でしたか。読んだ印象ではやっぱり、1巻の最初の方がいちばん怖く、3巻はあまり怖くない。ただ、ずっと下り坂、というわけではなく、怖い話もあるのだけど、その出現回数が減っていく感じです。1巻は「うわこれ買わなきゃよかった……」って思ったくらい。岩井志麻子さんがオビ書いてたんで手にとってしまったわけですが。

どういう話が怖いんだろう、と考えてみるに、まず、出てくる怪異が「しゃべる」のはそれほど怖くない。いや、怖いには違いないけど、意思の疎通が可能かもしれない、という点で怖くない。だから、「元が人だ」と分かるものもそんなに怖くない。怖いのは、得体の知れないもの、意図がわからないもの、なのに、それが、なぜかこちらに関心があるらしい。そういう話がグッとくるっぽい。『新耳袋』でも、目的がわかんない系のが怖かった。家の中にある奇妙な場所とかね。山の牧場の入り口のない建物とかー。

たとえば、『不安の種』でイヤだった話。風呂に入って、髪の毛を洗っている。ふっ、とすぐそこの湯船を見ると、へんなものが目だけ湯船のへりから出してこちらを凝視している。って書いてるだけで怖いよ! 細部違うかもしれないけど、確認のために本を開く気にもなれない。文章にするとたったこれだけなんですけど、『不安の種』は絵に力があるから、これですごい怖さなんですよ。

ただ、これ、視点を変えてみると、笑えてくるんですよね。仮に上のシーンを第3者の視点から見るとするじゃないですか。髪の毛を洗っている人。そこになんか、湯船にぽっこり、へんなものがわいてくる(どうやって現れるのかわかんないけど、たぶん湯船の中から出てくるんだろう。急にお湯を押しのけて実体化するんじゃないだろう)。その「へんなもの」は、髪を洗う人が気づくまで、じーっと見つめてるという。妙な光景です。その間も隣の家ではバラエティ番組で笑ってたり、お母さんが食事の後かたづけをしてたりするわけ。でもへんなものはじーっと。これが衛星カメラからの画像だったりするとさらに笑えますね。街には車がバスが電車が走り、帰宅を急ぐ人々の群れ。それぞれの家にそれぞれの生活があって。でもその一部でへんなものが誰かをなんかじーっと見てる。お前どっから来たんだと。湯船に現れるまでキミはどこで生活してたのかね? ふだんなにしてるの? そう問いかけたくなってしまいます。わかんないですよねぇ。驚かすのが楽しいのかな?


上に書いた「何が怖いか」の話とつながることに最近気づいた。実は子供のころから「クエスチョンマーク」が怖かったんです。今でも怖いです。これ、理解してもらえるかどうか心配なんですけど(汗)。文章のうしろにくっついてる「?」は怖くないんですよ。単体の「?」が怖い。デザインとして使われる「?」が怖い。おっきいほど怖い。今年のはてなオリジナルTシャツのそでの部分もかなり怖いです。むき出しの問いが、そこにあるように感じるからかなぁ。何が問われてるのかわからないのに、問われてる相手は自分かもしれないのが嫌なのかも。会社から帰ってきて、新聞大の白い紙にでっかく「?」が書いてあるのがドアに貼ってあったら、マジで腰抜かすと思います。はてなもGoogleでひっかかり始めたころ怖かったですよ。リンクから飛ぶと「はてな?」とか書いてあるんだもん。超怖いっつーの。だからはてなデビューが遅れたんです。さすがにもう慣れてきたけど、それでもヘッダの右のとこはまだちょっと怖いなぁ。