宇宙ネタのエントリをいくつか書いたところで、小学校に入ったばかりのころに見たある映像を思い出しました。
東京の大手町に、むかし「電気通信科学館」という博物館があったんですよ。逓信総合博物館のすぐそばです。ぼくは、郵便の歴史なんかより、こっちのほうが好きでした。いまはNTTデータのビルかなんかになっちゃってますが。その電気通信科学館でやっていた短編映画の話。
カメラは、公園で寝ている男を上から映しています。やがて、カメラは上昇(後退)を始めます。周囲の風景全体が見え、どこかの都市が視野に拡がり、ああアメリカだったのかと気づく。さらにぐんぐんカメラは後退。地球全体を視野に捉え、月が見え、太陽が見え、まだまだズームアウトし、太陽系全体が映し出されます。もっとロングになると、他の恒星がいっせいに画面の端から中に入ってきます。太陽系の存在する銀河の“腕”が映り、やがて銀河系全体の映像が見えます。カメラはまだ下がる。しばらくすると、さっき恒星が画面に入ってきたのと同様に、たくさんの銀河が画面に飛びこんできます。わたしたちの銀河系はおおきな“銀河団”のなかのひとつの銀河なのです。さらにさらにカメラは後退。ついに「全宇宙」が視野に入ったところで、カメラは停止します。そう、ここが“宇宙の果て”です。
で、カメラは今度はどんどんズームイン。来た道を逆に辿り、銀河団、銀河系、太陽系、地球、アメリカの都市、公園、男まで戻ってきます。で、ここから今度は小さい方へズームして電子や陽子まで行ってまた戻ってくるのですが、そっちは省略。10倍、10倍、また10倍、10分の1、10分の1、さらに10分の1、……。これが"POWERS OF TEN"という作品です。
ぼくにはこの「小さい頃に、宇宙の果てに行った経験」があるんですよ。こういう体験をしていることは、その後の人格形成とかにけっこうな影響をもたらしてると思います。この短編映画は、スクリーンじゃなくて、スコープを覗き込む形で上映してました。「果て」までズームアウトしたカメラが止まったとき、ぼくは背中がゾクっとしたことを覚えています。
というすげーあれを、もっぺん見たいなー、と思って探したら、なんと売ってました。
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イームズ!? あの映像はイームズ製だったのか! 早速注文してしまいました。明日には届くかな〜。"POWERS OF TEN"は両方に入ってるけど、上の(ぼくの注文はこっち)は他のイームズの映像作品や特典映像?も入ってるようです。