すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

無色透明な魂

たとえば、あなたがわたしの恋人だったとしますよね(あー、「たとえば」ですから。性別は適当に置き換えてください)。で、その恋人のあなたが、「万能完全コピーマシン」にうっかり入ってしまい、2人に分裂してしまった、とします。なにしろ万能で完全ですので、身体から記憶から性格から、ぜんぶおなじです。あなた自身にも、もうひとりにも、自分がオリジナルなのかコピーなのかわかりません。

で、神様が登場します(「たとえば」なんで)。そして言います。しょうがねえなあ、と。どっちか一方を消して、残った方とおまえの記憶を、何事も起きなかったように書き換えてやるよ。だからどっちか残す方を選べ?

わたしは、どう言うでしょうか。何から何までぜんぶおなじなんだから、何もなかったことになるなら、どっちが残るんでもいいや、でしょうか。でもあなたにしてみればそれはたまったものではない。だって「こっち」は「わたし」だけど、「むこう」は「わたし」じゃない!(「むこう」もそう思っているでしょうけど)


以前に下記のような質問、

恋愛の渦中で「同じようなタイプなら、別にほかの人でもよかったんだろうな」と思ってしまうと、それ以上入り込めなくなるのですが、そんな時はどうしてますか?
「そういうことは考えない」以外で、なるべく経験からお願いします。
http://www.hatena.ne.jp/./1125925157


をしたときや、「人は属性が10割」というエントリを書いたとき、ぼくが考えていたのは、だいたいこんなようなことです。ぼくは人を好きになるとき、まず見た目や性格などの「属性」で好きになる。「中の人」が誰かということは関係ない。しかし、そこから付き合っていくのなら、「ただ、会えたこと」も、好きな理由のひとつに付け加えていきたい。そう思っているのです。

コピーマシンによって分裂したふたりの「あなた」にも違う部分があって、それは位置情報です。右に立っているか左に立っているか、他は全部おなじ、それだけしか違わないけれど、しかしそれだけは絶対に重ならない。全ての属性を廃したまったくの無色透明な魂であっても、この世界では、同じ瞬間に同じ位置を占めることはできない。つまり何を言いたいのかというと、たしかにぼくはあなたの見た目や性格に惹かれたって部分は否定できないけども、それでも、もし「中の人」が「あなた」じゃなかったら、嫌だったよ、といまは言いたい。そんな感じでしょうか。出会えたということ自体を祝福すること。


つーかなんか、ぼくはやはりベースに乙女回路があるのか。そういう気がします。でも、こんなふうに、見た目や性格なんかはフィルタに過ぎない、と考えてて、その奥の、その人そのもの、に触れるようにしたい、とは、いつも思っているんですよ。

あーでもこれも、好きな人の場合だけですね。どうでもいい人はどうでもいいわ。

あとコピーマシンで自分もコピーしちゃえ、て手もありますか。