すべての夢のたび。

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「愛しなさい」は誤用

asahi.com : 「愛国心」埼玉の50校通知表に 教師「評価できぬ」

 埼玉県教委によると、同県内では25日現在、4市2町の50小学校で、通知表に「愛国心」に関する表現が入った項目が評価の対象になっている。
 同県行田市では、小学校長らによる通知表のモデル案をつくり、「我が国の歴史と政治及び国際社会での日本の役割に関心をもって意欲的に調べ、自国を愛し、世界の平和を願う自覚をもとうとする」という項目を社会の4観点の一つに盛り込んだ。05年度は、全15校中14校がモデル案と同じかほぼ同様の表現を採用した。ABCの3段階で評価することにしている。


アホだ。自分が埼玉の小学生でなくて、埼玉の小学生の親でなくて、埼玉の小学校の教師でなくてよかった、と心から思う。可愛そうに。

「愛する」というのは意思してできることではないのです。ただ自然にこころが動くことであって、他の手段で為すことはできない。自分の意志の力で愛することができるのだったら、離婚調停で家裁に来た夫婦に、裁判所はひとこと「愛せよ!」って勧告を出して終了でしょうよ。塩をなめさせて「甘いと思え」っていうのと変わらない。つまり愛国心うんぬんってのは、今の日本はしょっぱいと国が自ら認めた、ってことですね。じゃなきゃ「甘いと思え」なんて言わないでしょう?

で、お国はいったい何を考えてるんだろう?と思うわけです。バカだから「愛せよ」と命令すれば愛されると思っているのか、それとも、バカだから「愛してる」って口で言って欲しいだけなのか。どっちにせよ、そんなことを口にしたら最後、次には「ワタシのことを愛してるんだったら、コレくらいできるはずよね!」って言い出すに決まってる。

ここで予言しておきます。近いうちにこの国では「子作りに励むこと」が法律で義務化されますね。そしてもうしばらくしたら、「考えていること」にチェックが入るようになります。

 5月24日、株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)と株式会社ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン(HRI)は共同で、あらたなブレイン・マシーン・インターフェイス(BMI)を使って、脳活動を計測することでロボットを操作する基礎技術を開発したと発表し、日本科学未来館で記者会見を行なった。

 脳に電極を埋め込んだり、訓練の必要がないことが特徴。ヒトの脳血流を使って脳機能を計測するMRIを使うため、ヒトの動作からは7秒の時間差が生じるものの、ほぼリアルタイムに近い速度でロボットを動かすことに世界で初めて成功した。


こんなふうになってきてるんで。細かな思考内容までは判らないとしても、考えていることが良いことなのかヨカラヌコトなのかくらいは、いずれは外部から読み取れるようになる。するとまぁ間違いなく、「ゲーム脳」とかが大好きな、自分だけは無謬であると信じて疑わない人たちが飛びつくでしょうね。さぁさぁスキャンにかけろ、と言い出すに違いない。


「愛しなさい」という言い方は日本語として正しくない。つまり「汝の敵を愛せよ」っていうのも不可能表現です!って言っちゃうと怖いので(原典ではどう書かれてるかも知らないし)、2000年前には死んで3日後に甦った人もいたくらいだから、人々は自らの意志の力で愛することもできたのかもしれない、ってことにしておこう。ちなみにさらに話はずれますがオスのイルカは自らの意志の力でペニスを勃起させたり弛緩させたりすることができると言われています。おなかを上に向けてロープをアレに引っかけて泳いで遊んでるイルカの写真を見たことがある(まぁイルカショーではそんなもの見られないでしょうが)。すごいですよね。弟子にしてくれと。「愛しなさい!」「わかりました!」「勃起せよ!!」「ラジャー!!」って、国は少子化対策かなんかの一環としてイルカ研究でもしてはどうか?