すべての夢のたび。

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こども「ボスケテ」 大臣「イ㌔」

いじめ自殺予告のニュースをやっと見出した。終わってるなこの大臣。


MSN毎日インタラクティブ : 自殺予告:伊吹文科相「世の中は君を放っていない」

「命は一つしかないものだし、自分だけのものではない。君が生まれた時はお父さん、お母さんが君の命を腕の中に抱きとってくれたわけだから、誰かに必ず気持ちを正確に伝えてください。世の中は君を放っているわけじゃないことを理解してほしい」


全いじめ被害者が椅子落ち(奈落まで)。両親を含むまわりのあらゆる大人に相談してもダメだったから「いちばん偉い人」に最後の直訴をしたのに、「死ぬな」しか言えないのか……。ここは「私が絶対に君の問題を解決します」じゃないの? 大臣の後ろにはもう誰もいないんだってわかってる? 最高指揮官が職務放棄状態のため、日本のいじめ問題は被害者各人の自助努力に任されることになりました。全員、自分の持ち場でせいぜい頑張ってください――。


ぼくは自殺肯定派だったけど、今回の件に関してはどうも「いいんじゃない?」とは言えないみたい。その理由は、今までは自殺はオプションのひとつ、いくつかの取りうる選択肢の候補から考慮の結果自殺を選ぶ、ということなら、アリなのではないかなぁ、と思っていたから。ところが今回の件に関しては、自殺予告をした「彼」は、ほかに選択肢がなかったように見える。子供だし。逃げられないしね。相談しても話も聞いてもらえなかったようだ。そんな中でのこの自殺はちょっと認めにくい。ぼくは自説を少し修正する必要があるように思う(珍しく問題があることを認めるm氏)。

しかし、安易に「死ぬな」とは言えないな。どうしてもそれは言えない。彼が自殺しないことを選んでも、それだけでは問題はなにも解決してはいない。「死ぬな」という人は、彼のその後の生活環境改善にコミットメントする気があって言ってるのか? いまここでただ彼を生き延びさせることは、激痛に呻く瀕死の患者になんの治療も施さずに延命措置だけ行うことに等しいと思うのだけれど、それをしろと? 誰かが治療をしてくれるはずだと?


いろいろ考えてみたのだけど、どうにもいい結末が思い浮かばない。それは、たぶん、この話はもうヤマ場を過ぎてしまっているからだと思う。おそらく大臣に手紙を出すところがこのストーリーのクライマックスで、そういう方面に物語が展開してしまったのなら、最後のオチの付け方はかなり限定される、ということなんだろう。もう、keyのゲーム並み(Kanonとか)の奇跡がおきない限り、ハッピーエンドはありえないな(いきなり全国的にいじめ問題解決へむけての気運が盛り上がるとか――ないない)。彼が本当に自殺してしまうか、彼が誰であるか特定されて保護されるか、そのくらいのラストしか見えてこない。しかしもし見つかってももう元の教室へは戻れないだろう(ほんとにイタいヤツだと思われるのがせいぜい。今度はみなに無視されるんじゃないか)。だからここにあるのはKanonじゃなくてBLACK LAGOONである。

「誰かがほんの少し優しければ、あの子たちは学校に通い友達を作って幸せに暮らしただろう。でも、そうはならなかった。ならなかったんだよ、ロック。だから この話はここでお終いなんだ」


つまりそういうことだ。


もし彼が見つかったら、そのまま教室へ戻すなんてことはせず、しばらく世間から隔離してあげて欲しいと思う。両親からも離したほうがいい。彼の話を聞かなかったにせよ、聞いたけれど対処できなかったにせよ、いずれにしてもこの両親には彼の問題を解決する能力はない、ということだから。そして、もし自殺が起きてしまったのなら、彼の意思を汲んで、実際に起きていたことをちゃんと公表して欲しいと思う。けどまぁなんかうやむやになってしまうんだろうな、彼の手紙にあるとおり。


MSN毎日インタラクティブ : 自殺予告手紙:「生きていくのがつらい」……手紙全文