すべての夢のたび。

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テオ・ヤンセン展いってきた

-Theo Jansen- テオ・ヤンセン展 公式HP


会場は日比谷です。千代田線日比谷駅の改札からA11出口で地上に出てすぐ。日比谷パティオ、という広場ですが、要は「三信ビル跡地」らしい。そこに中学校の体育館ぐらいの広さ(天井高はないけど)の特設会場を作り、中に11体ほどのビーチアニマル(ストランドビーストともいう)が展示されています。入場料は1500円とちょっとお高いかんじになっています。


以下写真はすべてiPhoneで撮ってますので画質はすみません。


アニマリス・ペルシピエーレ・レクタス



お客さんたち



魅入る人びと


今回いちばん驚かされたのが、どうもこれはアートじゃなかったらしいぞ、ということですね。テオさんは、本気でプラスティックのチューブという単一材料から“生命”を生みだそうとして各種のビーチアニマルを作成してきた。それが偶然にオランダの文化教育科学省の目に留まり、助成金が出るようになった、ということらしいです。実はガチの人だった、カッコいい。



パーツ類。さわってもよい。かたい。



と言いつつ、たまには浮気して木で作ってみたりもするよ。
アニマリス・リノセロス・リグナタス



その模型ぽい?



空を飛ぶタイプ(嘘です)



たぶんアニマリス・ジェネティクス



名前解らない、小型。


土日祝日は1時間に1回デモンストレーションをやっていて、会場内で一番おおきなアニマルがのそのそ歩きます。



こいつです。横に歩く。


これ、webだと「アニマリス・モデュラリウス」って紹介されてますが、カタログの写真を見るとだいぶ形がちがうので、モデュラリウスの名の通りにかなり柔軟にいろいろ組み替えができるんだと思います。



アップで。チューブどうしはがっちり組み付けてあるけど、モジュールの連結はケーブルタイだったりする。


そしてまた驚かされたのが、アニマルたちは風に押されて動くばかりではないということでした。このでかいやつは、風を羽根で受けることでポンプを動かしてペットボトルに圧縮空気を溜めておくことができ、それを解放してシリンダーを動かしクランクを回すことで、脚に力を伝えて歩きます(会場は当然風がないのでコンプレッサーみたいのでやってますが)。



リサイクルされたペットボトル群


そのうえ、頭の部分には砂浜に杭を打ち込む機構を備えており、それを軸に回転していつでもただしく風上に頭を向けることもできます。(まぁ今のところ制御は人手ですけども、最新型のヤツは砂が硬い波打ち際を選んで歩くことまでひとりでやってのけるらしいです。もちろんコンピュータなんて組み込まれていません)



正面から。写真中央付近に杭打ちハンマーが見える。


そしてこのでかいのがグォォォ〜ンと歩くところをiPhoneのReplayCam(0.2秒間隔で25枚連写できるアプリ)で撮ってきたんですが、アプリないと動画っぽく見れないしムービー変換も面倒だしで、ここは誰かがきっとちゃんとデジカメとかで撮ったやつをYouTubeとかニコニコにupして(くれ)ると思いますのでそちらをご覧ください、です。


会場にはもうひとつ動くやつがいます。というか、動かせるやつ。本来は同様に風で歩くんですが風はないので人が押します。



アニマリス・オルディス ガンガン歩いちゃうよ
(90度回したので写真の並びは↑→)


こっちは常時稼働、並んで順番を待てばよい。というわけで、ぼくも歩かせてきましたよ。さすがプラスティックなので結構ギシギシ言う(笑)。でも、パイプはかなり強度もありそうで思ったよりずっと丈夫な感じ。係の人も「ガーっといっちゃって大丈夫です」と言ってた。腰の高さに掴むべきパイプがあるので、結構重心は高いはずなのに、傾いたりもせずすごく滑らかに脚が動く。そして軽い。まぁ本来風で動くんだから軽くないと無理ですけどね。


アニマリス・モデュラリウスのデモで、係の人が最後に「テオさんの夢は、自分が死んだ後も砂浜でアニマルたちが生き続けることです」みたいなことを言ってて、おお〜と歓声/ため息が出てました。とても良い展示会だったと思います。

物販は、DVD¥1980(53分)と公式カタログ¥1600。カタログは買いかな。フルカラー80Pぐらいで写真いっぱいだし、文章を書いてるのがご本人。その思想に触れることができます。DVDはお好みで。でもせっかくだから買った。画質はあんまり良くない。会場で流されてるので見てから決めればいいかと。

4月12日までとのことですので、興味ある方はどうぞということで。



ところでテオさんの生まれはこの砂浜のちかく、「スへフェニンゲン」らしいです。それってアレですよね?