すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

すごい本を読んだ

土曜に買ったコレですけどね。

単純な脳、複雑な「私」

単純な脳、複雑な「私」


ぼくは始終あれこれスゴイスゴイ言ってて信用ないかもなので、この本は「ものすごい」と言っておきます(笑)。読んだ人の人間観・世界観を後戻り不可能な形で書き換えてしまうかもしれない。

脳科学の最先端の状況についての高校生への講義を収録してあるんですけど、いやー、脳科学ってもうここまで来ちゃってるんだ、ということが衝撃でした。衝撃デカ過ぎて自分の中で受け止めて整理するのにしばらく時間がかかりそう。脳については、頭の中だけで考えるんでも、行動の観察だけで考えるんでもだめなんですね。やっぱり開けて見てみないと解らんのだわっていう。

例えば、プロゴルファーのパットの正否について、脳活動を観察していれば、スイングの前には入るか外すか判る。外す場合はどのくらい外すかも判る、と書かれています。これは「将来そうなるだろう」じゃなくて「既にそうなっている」って話です。マズいですよね。下手すると、スポーツって何?って話になりかねない。また、人が単純作業をする場合なら、6〜30秒前にはミスの発生を予測できるそうです。こんなのも応用によっては莫大な社会的インパクトですよね。自動車の運転とか。

よく話題になる「手を動かそうと意志するより先に脳内では準備が始まっている」って話も、もっと驚くことが書かれていました。なんと「手が実際に動くより先に"手が動いた"という感覚が発生している」のだそうです。いやもう、あまりに"常識"から掛け離れたとんでもないことが書かれてるようで、すぐには理解できなくてここ何回か読み返してしまいました(笑)。でも、この言葉通り、なのだそうです。脳は一部未来を"先取り"して動くらしい。さらに、意識上の未来(脳的には現在)の情報を使って、意識上の現在(脳的には過去)の情報を書き換えたりもするらしい。

紹介したのはほんのほんのわずかな箇所です。だって400P超の本ですよ。脳科学ヤバい。隣接領域(哲学とか心理学とか)の一部を全く過去のものにしてしまいそうな勢いだし、もっとずっと広い範囲に影響が及びそうな感じ。今後池谷さんの新刊はウォッチしていこうと思いました。まぁとりあえず今はこの本の内容を自分の脳に敷衍するのが先ですが。


追記:この本を読むにあたり気をつけたいことをひとつメモ。「人間なんてこんなもんさ」みたいにはならないように。"「アニメはただの絵」なんて言葉には何の意味もないわけよ"のコピペを自戒の意味も込めてリンク張っておきます。