すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

非因果的連関のアナロジー

昨日分エントリの補足。「原因と結果」によらないものごとどうしのつながり、とはどんなものか?


たとえば、ぼくがN氏の銀行口座に1万円を振り込むとします。このとき、N氏の口座の残高が1万円増えるのは、ぼくの口座の残高が1万円減ったことが原因、減ったことの結果、ではありません。ぼくの口座から減った1万円が、回線を通じて流れていき、N氏の口座を1万円増やす、のではない。ぼくの口座の残高減少と、N氏の口座の残高増加は、まったく同時に生起するできごとです。すくなくとも論理上は。

コップAに水を100ml、コップBにワインを100ml、それぞれ入れます。コップAの水を、いくらか適当にコップBに注ぎます。Bの中身をかき混ぜたあと、同じように、今度はBからAに、最初に注いだのと同じ分だけ戻します。AとBは再び100mlずつになりました。さて、コップAに含まれるワインの量と、コップBに含まれる水の量、どちらが多いか解るでしょうか? ……と言うと、考え込んでしまう人もいるのですが、あたりまえですけど、それは「正確に同量」ですよね。

同じように、EPRパラドックス/量子もつれで、遠く離された粒子のスピンの値について、片方の粒子を測定するともう片方の値も定まることも、「空間を超えて一瞬で情報が伝わったから」ではありません。「スピンの値の和が一定であるように、世界はある」というだけの話です。誤って原因と結果の話として見てしまうから奇妙に感じられるのです。なぜか光速度が一定であったり量子が粒子と波の性質を併せ持っているのと全く同じように、「ただそう定まっていること」を受け入れるかどうか、というレベルの話だと思います。


というか最後のはアナロジーじゃなくて実例ですか?