すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

ぼくの話

ぼくは実はTV版を見たことがないのです。当時は家を出て独り暮らしを始めたころだったんだけど、TVは買わなかったんですよね。時間を浪費するものだ、と思って。

「パソコン通信」から「インターネット」への移行がかなり進んでたころ。でもADSLはなかった。まだ残存していた、仲間内で立ち上げてた所謂クローズドBBSにいつもアクセスしていた。そこでは「すごい」「すごい」「今週はマジやばかっただろ…」みたいな話が繰り返されていたけれど、ぼくは、ふーん?という感じでそれらを見ていた。

ぼくはちょこっとインドへ行き、その後に(ほんものの)自己啓発セミナーに行き、オウムの道場を覗きに行って説得されかかって帰ってきたりしていました。ある意味のリア充だった、というか、TV版が作られた時代背景の側にいたような感じ?

誰かの家にでも行って見せてもらえばよかったのだろうけどそうはせず、フィルムコミックスを買って読んでた。劇場でたしか2本見たけれど、いまとなってはどんな話だったかもよく覚えていない。当時の印象も「なんだこれ……?」だったような気がする。

その後もエヴァはゲームになったり漫画になったりパチンコになったりいろいろしていました。貞本エヴァだけは半分くらい読んでた。そして、今回の「破」になるわけですが。「序」はどうしたのかというと、「破」を見にいく2日前に家でBlu-rayで観ました。映像がすごいよって噂で、買って、そのまま放置してあった。「破」がこれだけ盛り上がらなければ、しばらく見ることはなかったと思います。

「破」は9日に1人で観てきました。いちばんグッときたのは3号機搭乗前のアスカのミサトへの電話、ですね。ペラペラ喋っちゃってね。オマエ、なーに、言っちゃってんだよッ!って、あたま鷲掴みで髪クシャクシャにしてやりたかった。そんな感じでした、あのデレは。まさかその直後にあんな事態が起きようとはね……って、ぼくはTV版のストーリーがほとんど頭に入ってないので、予測できてなかったんですよ。あの後の、3号機の消息を聞いたミサトはさぁ、あっさりしすぎですよね。ちょっとどうなのその態度!って思った。次回予告に姿を見せてくれてほんとうにほっとした。

そんでまぁシンジ君は前向きになったと評価されてますけど、ぼくは尺が足りてないこともあるんじゃないかなーって思った。つまり、ぐだぐだしてるところ、をきちんと描くには、実際に時間がかかる、フィルムを消費する、ということです。映画じゃああいうふうにしか描きようがないってのがあるんじゃないかと。まぁ「破」のクライマックスのレイを救出するシーンは文句なしによかった。しかしアスカのことももうちょっと気にしてやってくれとは思った。いや、レイも可愛かったですけどね今回の。ぽかぽか。

昼過ぎに映画館に入って、観て、出てきて、空は明るいわけです。あれだけのものを観てきて映画館外部では2時間しか経過していない、というのがふつうに信じられなかった。すこし買い物をして日が暮れてきて、家に帰ろうか、というとき、ひどい人恋しさに襲われた。いつも飲みにいく店が定休日なのでなんとなく知らないカフェに入り、したら自分しか客がいなくて、さらにどよーんとした。(ヱヴァに出てくる)みんなはつながってていいなあ!というのが、たぶん原因だと思う。ぼくは自らの意志でいまは人付き合いをほぼ断っているのだけど、結局、こういう感情を完全に滅するのは人間である限り無理なのだ。や、もちろん、それがなくなっちゃったら漫画読んでもアニメ観てもぜんぜん面白くないのだろうけど、こう、コントロール可能な範囲外まで揺さぶられるような事態が、すごく不意打ちだった。

この日記を休んでる間の、復帰する前1年ほど、ぼくは延々オンラインゲームをやっていて、そこでどういうわけかある女性とずっと行動を共にすることになりました。で、自分に言うわけです。おまえさー、これ、もし先に進めても、何もないんだよ?(法律上ぼくは既婚者なので) それを解ってて彼女に深入りしてくわけ?と。で。うん、いいんじゃない。一時の快楽だろ? 誰かを好きになるのは気持ちいいし楽しいだろ? なくしても、数日の痛みが過ぎれば、なんてことなくなるんだよ、と自分に言い聞かせて、彼女を好きになる許可を出した。まぁ、心配していたようなオフラインで逢うほどの段階までは発展せず(笑)、当初の想定どおりにやがてそれは喪失し、ぼくは2-3日ぐだぐだした後に正常?な状態に戻りました。「破」も、隙を突かれた以外はおんなじ。観た翌日の感情のブレが特にひどかったけど、週末で回復した。今は落ち着いてます、のでこんなのを書いている。

シンジやレイやアスカの過ごす日々を、いいなぁ〜、と思ってしまったこと。ぼくははっきり負けたんだった。今の自分よりずっと若い彼/彼女らをうらやましく思い、この、住む現実より空想された世界のほうを、それでも楽しそうだ、甲斐がありそうだ、と思ってしまった。見事に、庵野秀明にしてやられたわけで、ねじ伏せられるようにそれを認めさせられ、打ちのめされていました。なんか対抗できるだけの自分の物語を急いで立てないと立ち直れないんじゃないか、とか思っていましたが、まぁ2-3日でやっぱり回復した(笑)。そんなもの、ですよねー。ぼくはぼく、で行くしかないでしょうさー(何語?)という感じです。

「破」はすごかった。で、「急」はどうなんだろね?って件です。「破」の続きにはならんのじゃないかなーというのが予想です。王道なら、トップとかグレンラガンでいいじゃないと思うので。ヱヴァであえてやる必要はない。今回は、次回で好き勝手やるために、ちゃんとウケを狙いにいったんじゃないかという読み。ほらTVシリーズなら枠取っちゃえば穴開けるわけにいかないんで細かい内容は置いといても放映、と思うんだけど、映画でウケないと、ごめん次はDVDねーみたいな展開もありそうですし。そうならないために今回ドーンと行っておいたんで次で突き落としてくれると思うんだ。きっと、なにこれ!?!?みたいなヱヴァ。つーか、関連商品を超マルチで展開してるのも、いまヱヴァがなくなるとみんなみんなヤバいんだよ!って状態を作り出して映画作らざるを得ない状況に持ち込んでるんじゃないかと。考えすぎ?

リアルタイムで見れた世代にいながら見てない、共通体験を持ち得ていない、というのがぼくの傷なわけです。それもまた、つながれない、という思いを構成する一部になっている。しかしまぁこの空虚は今更どうやっても埋まらないので仕方ない。幸いここにはポンド安でAmazon UKがお買い得!な時に買ったTVシリーズのBOXがありますんで、せいぜい「急」が来るまでじっくり観てやろうと思ってます。新劇場版→TVシリーズ。なにそれ一般人みたい。にわかみたい。エヴァすごいね!!とかこのあとの日記で痛ましいことをもし言い始めたら優しくスルーしてあげてください。「破」のDVD/Blu-rayも早く出るといいですね。