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ハワイに伝わる問題解決テクニック"ホ・オポノポノ"が斬新すぎる件

近頃書店で平積みになっているのをよく見かけるようになった「ホ・オポノポノ」の本。イハレアカラ・ヒューレンという人が3冊の本を出しているのですが、アマゾンのレビューを見ると「どれも内容は同じ」と書いてあったので、一番新しいイースト・プレスのものを買ってみました。(他2冊は「徳間書店」と「ソフトバンククリエイティブ」)


たった4つの言葉で幸せになれる!心が楽になるホ・オポノポノの教え

たった4つの言葉で幸せになれる!心が楽になるホ・オポノポノの教え


以下「はじめに」より引用。

 ホ・オポノポノの素晴らしいところは、メソッドが非常にシンプルで、いつでもどんな時も1人で行うことができるということです。人が思うように生きることができないのは、潜在意識の中にある記憶が原因であると考え、この記憶を消去することで、ディヴィニティ(注:神聖なる存在)からのインスピレーションが届き、それに従って生きることで、完璧な状態で物事が起きると説いているのです。
 クリーニングのためには「ありがとう」「ごめんなさい」「許してください」「愛しています」という4つの言葉を使うのですが、これについては、本書で繰り返し解説していきたいと思います。


そして、実際この「はじめに」の文章通りに、この本のどこを開いても、基本的に上の引用と同じことしか書いてありません。"著書の3冊とも同内容"どころじゃない、あらゆるページがそうです。

  • 人間の行動はそのすべてが記憶の再生なので、記憶のクリーニング(消去)をしなければならない。
  • 「ありがとう」「ごめんなさい」「許してください」「愛しています」の4つの言葉を唱えることで、記憶のクリーニングが行われる。

ほんとうに、これだけです。これだけ知ってればホ・オポノポノのマスターになれるんじゃないかと思います(笑)。やー、東洋系とか西洋系とかアメリカ・インディアンの教えとかいろいろ見ましたけど、ここまで単純なのはなかったなー。群を抜きすぎです。なんでそうなるの?というロジックの説明もほとんどありません。いや、あるにはあるんだけど簡単すぎてぜんぜんわかりません(笑)。


体験談も載っていますが、4つの言葉をひたすら唱えてたらしばらくして父親と夫のアル中が(なぜか)治ったとか、4つの言葉を唱えてたら子供を亡くした悲しみから(なぜか)開放されたとか、そんなのばかりです。著者と女性2人との鼎談(=3人で話すこと、らしいです)も載っているのですが、ここでもヒューレンさんは同じことしか言いません。(以降の引用部内の強調は全て引用者による)

三浦 結婚相手となる人とも、クリーニングをする機会を得るために出会うということなんですね?
西川 えっ!? 結婚って幸せになるためにするんじゃないんですか? 結婚相手というのは幸せになるための運命の人だと思っていました。
ヒューレン 運命はなく、あるのは記憶とインスピレーションだけです。結婚すれば幸せになれるという発想も記憶によるもの。ゼロの状態にならなければ、その人が自分にふさわしい相手かどうかという神聖なる存在からのインスピレーションが降りてきません。

三浦 とにかく、このところの私は、離婚したほうがいいか、頑張るべきなのかと迷っていて、仕事に集中することができずにいるのですが……。
ヒューレン 迷ったり悩んだりするのは無意味です。そんな暇があったらクリーニングをすること。そうすれば、自然に三浦さんにふさわしい流れができます。
西川 クリーニングすることによって、三浦さんは努力をしなくても離婚を免れることができるんですね!
ヒューレン クリーニングをして記憶を消去すれば、神聖なる存在のインスピレーションによって離婚したほうがよいという決断に至るかもしれません。
 その場合にも、三浦さんが離婚によってダメージを受けるということはなく、むしろホッとすることができるでしょう。

三浦 お父さんが亡くなられたのはいつですか?
西川 5年ほど前です。
ヒューレン 西川さんの潜在意識の中にある"お父さんが死んでしまって哀しい"という記憶や、"死に際に立ち会えなくて悪かった"という過去の記憶をクリーニングすることが大切です。

ヒューレン 自分の中の潜在意識にクリーニング方法を教えておけばいいのです。そうすれば、寝ているあいだも自動的にクリーニングしてくれます。

ヒューレン うつであるという記憶をクリーニングするのです。

ヒューレン あなたが悪いのでも職場の人が悪いのでもなく、すべての問題の原因は記憶です。その記憶がどこにあるのかといったら西川さんの潜在意識の中。
 シェイクスピアが"あなたは自由を選びますか? それとも困難を選びますか?"という言葉を綴っていますが、私が西川さんに問いかけたいのも、そのセリフです。困難は嫌だと考えているなら、今すぐクリーニングを始めることです。

ヒューレン 大事なのは一瞬一瞬クリーニングを続け、自分の周りで起こることが100%自分の責任であるという立場を取り、クリーニングに専念することです。
 その結果インスピレーションが降りてきて、自分にとって本当に必要なことが完璧なタイミングで訪れます。


ただひたすらクリーニングせよ! もしかしたらぼくが使うクリーニングという言葉とはなんか意味が違うんじゃなかろうか……という気すらしてきます。そしてここで「自分の責任」ということばが出てきました。基本、宗教やスピリチュアルは自己責任論を説くものです。そうじゃない「それは他人が悪い」とか「私のせいにして構わない」とか言う宗教は見たことがないです。が、ホ・オポノポノは特に徹底しています。自分に関係する物事はすべてが自己責任だと言うのです。183Pより引用。

私のところには病気による悩みを抱えた方も見えますが、私は相談者にクリーニングを勧めるだけではなく、私自身の潜在意識の中にある「この人は病気だ」という記憶もクリーニングを通して消去します。なぜなら、その相談者は顕在意識の中では、病気の相談で私のもとを訪れたと思っていても、実際には私の潜在意識の中に自分の病気の原因となる記憶があることを知っていて、私にクリーニングする機会を与えてくれたのです。


よく読まないと、意味が解りませんね。ふつうの日本語はこういう使われ方をしないから。つまりヒューレンさんは「相談者が病気なのは私のせいだ」と言っているのです。自己責任論の極北です。


ホ・オポノポノでは「悪い記憶だけでなく良い記憶も消す必要がある」というところが面白いです。良い記憶は執着を生み出してしまうからだそうです。なるほどと思います。そしてさらにすごいポイントをQ&Aから紹介。

Q. 「ありがとう」「ごめんなさい」「私を許してください」「愛しています」というクリーニングのための4つの言葉はすべて言わなくてはいけないのでしょうか? そうであるとしたら、順番どおりに言わなくてはいけないのですか?
A. 4つの言葉をすべて言う必要も、順番にこだわることもありません。ちなみに、私は「愛しています」という言葉の中に「ありがとう」「ごめんなさい」「私を許してくださいも含まれていると考え、「愛している」としか唱えていません
 また、最初の頃はナーバスで「ごめんなさい」しか言えなかったという人もいますが、それでも効果は変わりません。


ちょっとちょっと!(笑) 最後のQ&Aに来て御大自ら大前提のひっくり返しです。

Q. クリーニングの4つの言葉を唱えるときに感情を込めるべきですか?
A. その必要はありません。そればかりか、クリーニングによる奇跡を信じていなくてもいいのです。ただ機械的に、コンピュータの中の情報をデリートするような感覚で行えばOK。駄目でもともとだという気持ちであっても「Just do it! 」。


極端にシンプルなだけでなく、極端に斬新でもある。もはや信じる必要すらないとは! ぼくもちょっと試してみるかと4つの言葉を心の中で唱えようと思ったのですが、どうしても「ありがとう」「ごめんなさい」「許してください」「さようなら」になってしまいます(笑)。なんでさようならなんだ。しかしもしかするとそれでも効果は変わらないのではないだろうか。いやもしかしてもしかすると唱えなくてすらいいのではないだろうかという気も……。


なんでこれが効くのかなー、というカガク的説明をちょっと考えてみました。

  1. "呪文"を唱えることで余計な思考の流れを中断させ、当人の注意を「いまここ」に仕向けることで、起きている状況に対処しやすくなる。
  2. "呪文"により当人に起こるポジティブ・シンキングの効果が周囲にまで浸透する。
  3. 宝くじと同じ。誰かに1等は必ず当たる。単なる偶然がこの理屈で説明されているだけ。

2とか結構ありそうと思うんですけどね。人間は悲しいから泣くのではなく「泣くから悲しい」のだ、みたいなことは最近言われてますし。笑うことで気分も改善し体調も良くなるとか。「病は気から」がきちんと説明できるようになってきている。まぁ1も3もあるだろうと思うんですが、ヒューレンさんにしてみれば「そんなことはどうでもいいからとにかくクリーニングです」なのでしょうねー。


うーん、それにしてもすごいぜホ・オポノポノ。このシンプルさはスピリチュアル入門にいいんじゃないかと思ったのですが、もしかしたらほんとは超上級者向けなのかも知れません(ただの上級者には理屈が必要だと思うので)。