すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

神保町→秋葉日記

なんとなく地元の洋食屋に入ってみた。駅までの通りにあるけれど5年以上スルーしてた店。いわゆる時間止まってる系。でも地元の人でそこそこ賑わっている。南沙織が流れている。ミックスフライ定食を頼むと、エビとミートボールとクリームコロッケ+サラダの皿が出てきた。ポタージュときゅうり(ピクルスではない)付き。ふつうに美味しかった。なくならないうちにまた行く。

神保町へ行くと古本まつりの真っ最中だった。おじさん度高し。歩道を通るのもままならない。ゆっくり見れたら面白いのかも……と思いつついつも素通りだ。これだけのために時間を取って行かないと無理だろう。本を買ってコーヒー飲みつつ読む。

秋葉。またMagic Mouseを触ってみる。面白いけど、必要なのか?と言われるとやっぱり微妙だ。これでしかできない何か、というのも別にないし。しばらく様子見にしたいと思う。でもきっと行くたび触ってしまうんだろうな。手に収まるあの感じと質感は素晴らしいと思う。

それから岩盤浴へ。床が過去最高に熱かった。じっと立っていられないほど。うつぶせで寝る時は手を上方に投げ出す形になる。いつもならそこは何も敷かなくて平気なのだけど、熱すぎるので、作務衣の袖から出る手が直接触れる部分はタオルを敷いた。しかしそれもやがて汗で湿ってしまい熱が伝わってくる。始終体を動かすことでなんとかしのいだ。

そしていつもの店で飲み。店長に週一じゃなくてもっと来てくださいよと言われるが、今給料も下がってるしなー(「残業は控えろ」というのを言葉どおりに受け取って本当に帰っているため)。それに翌日が休みでないと安心して飲めないけど金土と連続なのもあれだし、と思う。

今日買ったのは一冊だけ。


七秒しか記憶がもたない男 脳損傷から奇跡の回復を遂げるまで

七秒しか記憶がもたない男 脳損傷から奇跡の回復を遂げるまで

BBCがドキュメンタリー化し、NHK BSで放送されたらしい。ぼくはこの本を「7秒しか記憶が持続しない人間に世界はどう見えるのか」という興味から買ったのだけど、実際には心を動かされるノンフィクションだった。

著者の夫(音楽家)は脳炎で重度の記憶障害になる。短期記憶が長期記憶に移行しないという患者は報告例があるが、彼の場合は短期記憶すらできなくなってしまっている。するとどうなるか。数秒前の記憶がないので、いつも自分は目覚めたばかりと感じる。そして周囲の風景が始終更新されているように錯覚する。なんとかノートにメモを取って現実に対応しようとする。「今完全に目覚めた、XX時XX分」 しかし数秒後にはその事を忘れてしまい、ノートの自分の字を見て間違っていると感じ、線で消して記述を更新する。「今本当に完全に目覚めた、XX時XX分」 それを延々と繰り返す。

そんな状態でも、気高い人格は失われていないし、譜面を見せれば初見でピアノを弾ける。妻や親しい人のことも忘れていない。すごいものだな、と思う。周囲の人の2人に対する優しさも素晴らしいけれど、20も年上のこの夫に対する妻の献身に胸を打たれる。絶対に見放さない、必ずなんとかするという意気込みで、脳障害に関する論文を読んでは筆者に意見を聞き、あらゆる病院や施設に連絡を取っては夫の面倒が見られないか問い合わせ、できないと解ると、自ら重度脳障害患者についての協会を設立し、政府に掛け合うためTV局に状況を訴える番組制作を依頼する。

厚い本で、まだ半分ちょっとしか読んでいない。しかしそこまではもう一気に読まされてしまった。