Dance×Mixer 6ヶ月版発売

Dance×Mixer (6ケ月無償バージョンアップ版)

さて、本日が発売日、アマゾンに注文しておいたものが当日に到着しました。驚いたことに、なんとこの地味なパッケージのままでした。これはサンプル画像かなんかだと思っていたのに……。

Dance×Mixer

1年版はこちら。なぜこのままぽよよんろっく氏のイラストを使わなかったのでしょうか、とても不思議です。

で、これは何をするソフトかというと、まぁ名前の通りなわけです。DTMソフトで、サンプリングされたフレーズをタイムライン上に並べていって曲を作る物がありますが、同じようなイメージです。あれをダンスでやろうという。いろいろなダンスのパターンが入っているので、曲に合わせて適当に並べて行き、表情を付けたりカメラの動きを付けたりして、PVのようなものに仕立てる。

これはDance Mixerだけで作られた動画です(曲を除く)。こんなふうにステージもそれっぽいのが用意されている。ソフト1本でここまでできるというのはなかなか凄いんじゃないかと思うのです。……が、いろいろと問題含みな部分もあるのでした。

これの開発元はフロントウイングという18禁ギャルゲーのソフトハウスです。『タイムリープ』というキャラクターが3Dで作成されているゲームがあるのですが、その開発で得たノウハウを応用して、アイマス動画みたいのを簡単に作れるソフトができるんじゃないか、という話が出て開発に至ったとどこかで見ました。しかしですね、言うは易く行うは難しだったわけです。

例えば「初音ミク」も、やってることはサンプリングされた音声を並べて唄にしているだけであり基本は同じです。でも、あれも、聴ける唄に仕上げるにはとても手間が掛かる。「あ」の音の次に「い」が続くのか「か」が続くのかで、前の「あ」の音も変化してしまう。そこでミクは「あい」と「あか」の両方のパターンをサンプリングしておくというような、ある種力業でこの問題に対処しています(実際はちょっと違いますが)。

Dance Mixerも同じです。というかもっとずっと厳しい。ダンスパターンAとパターンBを並べても、Aの終わりとBの始めでは手の位置足の位置、体や顔の向きまでもが異なったりするわけです。そこでその間がなめらかに繫がるように補完してやらないといけないのですが、どうしても動きが機械的になってしまう。上の動画でも、よく見ると急に動き出したり間が飛ぶような場面があるのがわかります。そこをなんとかいろいろ工夫して、なるべく自然に見えるようにしてやらないといけない。

しかしこのソフトでは、それをやるために非常に手間がかかるのです(ぶっちゃけて言うと、開発陣の技術力の問題が絡んでいると思われます)。ちょっと有り得ないのですが、このソフトのエディタはなんと、ダンスパターンを曲のリズムに合わせて配置するという、それだけのことができないのです。旧版のエディタでは拍子の区切りにきっちり合わせてパターンを配置できたのですが、新版ではなぜかフレーム単位(秒30とか60とかのあれ)になってしまった。フレームと拍の関係は自分で把握しておかないといけない。その上、用意されているダンスパターンがきっちり8拍とかではないものが多いのです。多分ダンスの動きのキリのいい部分まで全部含めようとした結果なのでしょうけど、8.xx拍とか、小数点単位になっており、単純に並べていくとどんどんリズムとずれていく。結局、ずれないようにするために自分で前後をトリミングしてやったりする必要があるのでした。

で、そうやって手間暇掛けて作ってやったデータが、セーブ時に頻繁に飛んだり、読み込んでみるとなぜか途中からずれていたりするらしい(笑)。その上エディタの動作は重い。その上作成したダンスをVistaでムービー出力しようとすると、なぜかXPでやった場合の数倍の時間がかかる。その上Windows 7には正式対応していない。その上開発元に要望を言ってもなかなか取り入れてもらえない。その上ライセンスチェックが妙にきつく普通に使っていてもよく起動しなくなる…云々。

しかしまぁ、2chのユーザーコミュニティは雰囲気がいいですね。マイナーなソフトで人が少ないせいもあると思うのですが、荒れそうになっても皆自制してすぐ収まる感じ。そして、皆がこのソフトを好きで使っていて、なんとか界隈を盛り上げていこうという気持ちが感じられます。あとはほんと、開発元がもっと力を割いてくれれば良いと思うのですが、なかなか難しい面もあるのでしょうね。

というわけで、ソフトの紹介だかなんだかよくわからなくなってしまいましたが、買った以上はなんか一本くらい作ってやれ、と考えています。いつになるかわかりませんが出来たら貼りますのでお楽しみに？ということで。