すべての夢のたび。

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みんな病気になっちゃえば?

 年末年始に住居がない失業者に宿泊場所や食事を提供する東京都の「公設派遣村」で、一部の入所者が就労活動のため都から支給された現金を酒代やたばこ代に使い、施設内で禁止された飲酒などの問題行動を取っていたことが6日、分かった。都はすでに泥酔状態となった男性1人を退所処分にしたほか、悪質な入所者には退所時に支給額と領収書の差額の返金を求める方針。

 国と東京都が開設している失業者らのための「公設派遣村」で、557人の入所者のうち201人が、7日午後8時時点で不在になっていることが分かった。派遣村は午後4時半を門限とし、遅れる場合は電話連絡をするよう入所者に求めているが、ほとんど連絡はなかったとみられる。都は交通費・昼食費として1人2万円を支給しており、余った分を精算しないまま戻らないケースが多発することを懸念している。


「酒飲んだりタバコ吸ったりする権利ぐらいあるだろ」「2万円くらいでガタガタ言うな」という擁護派の意見を見ました。しかし、ぼくもそうですが、批判する側はそんなところに腹を立てているのではないと思うんですね。こういった行動から透けて見える「だらしなさ」や「計画性のなさ」、おそらくそれらのことが派遣村に流れ着く一因ともなっているだろうに、まだ学習しないのか……と、そういうことなんじゃないかと。

でも思ったんですけど、もしかしてこういう人たちは、学習しないのではなくて、「そもそも学習することができない人たち」だったりする可能性もあるのではないでしょうか?

うつ病は昔、単なる怠け癖・甘え・心の弱さのように捉えられていました。しかし抗うつ薬をはじめとした各種の治療法が実際に効果をもたらすことでもわかるように、それは気の持ちようなどではなく、ある種の脳の病気だったことがわかったわけです。そして「学習できない」ことにも同じような部分があるのではないか、とぼくは考えています。

実際例として、ギャンブル中毒の一部の人の脳では、行動の成否についての評価に歪みが起きていることがわかったそうです。なので、絶対勝てると思い込んでしまう。本人には赤いものが青く見えてしまっているようなもので、いくら「これは赤だ」と外から言って聞かせてもだめなわけです。この時に必要なのは更生ではありません。これは病気なので、必要なのは治療なのです。

正常というものが仮にあるとして、「正常」と「異常」の間はどこかできっちり線を引けるようなものではないでしょう。それはなだらかなスペクトラムを描いてつながっているのだろうと思います。しかし、スペクトラムのどこに位置しているとしても、「学習できない」「認知の歪み」なども、それよりは薄そうな「性格の差異」みたいな部分も、うつ病のようになかなか濃そうな部分でも、結局はすべては脳のこと、脳の中になにかの違いが起きていることの外部への現れなわけです。

なら、うつ「病」を「治療」するのと同じように、それらもみな「病気」として「治療」することにしてしまえばいいではないですか?

病気であれば、責められることはありません。仕方ありませんし、腹も立ちません。「うつ病は甘え」などと言うのは2ちゃんねらーだけです。麻生元首相に頻発していた漢字の読み間違いも、一部では「読字障害」だったのではと言われていました。そういうことにしてしまえば、マスコミも叩いたり面白おかしく報道することはできなかっただろうと思われます。鳩山首相も空気を読む能力に欠けているように見えることが多々ありますので、いっそそういうことにしてしまい、マスコミや自民党の攻撃を避ける手もあるんじゃないかなぁと思っています。

でもほんと、累積犯とか、刑務所出たその日にまたなんかして捕まる人とか、ああいうの見てると、必要なのは更生じゃなくて治療だ、刑務所じゃなくて、病院だろ、って思いませんか?