仙川の「プラザギャラリー・北パティオ」(調布市仙川町1、TEL 03-3300-1010)で現在、関口茂る(しげるる)さんの作品展「ニルバーナへLets Go!!」が開催されている。
関口さんは1964(昭和39)年埼玉県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、沖縄県立芸術大学工芸学部を修了。国内をはじめ、ヨーロッパやアジア各地で個展やグループ展を行っている。同展は「電子の救済〜初音ミク〜」と題した「初音ミク」のフィギュア作品と、「LOTUS(ロータス)」と題したインスタレーション作品で構成する。
同作品では、音声合成ソフトウエアのキャラクター、初音ミクの仏像をイメージしたポーズを制作。材質は樹脂で、全長は約70センチメートル。構想を含め制作期間には約3年を費やしたという。
通常、ぼくらはアニメやマンガのキャラクターをヘアスタイルで認識しています。その形とその色ですね。だから、けいおん!の律が髪を下ろしたりするとたちまち誰だかわからなくなって、誰これ?唯?みたいな事態になるわけです。プリキュアなんかも髪の形と色の違いを強調してますよね。3次元女子相手だと逆に髪を切ろうが染めようがまったく気づかないのに、不思議なものです(女性が見れば違うのかも知れませんが)。
そして、絵のタッチが全然異なる人が描いたキャラクターであっても、髪の形と色さえ一致させておけば、そのキャラに見えるのです。緑髪ツインテールにしておけばとりあえず初音ミクであると言い張れるわけです。
だがこれはどうよ……!
なんすかこの深い慈愛は。あふれるありがたさは。これはミクの格好をしているけどミクではない。菩薩ですよ。観音様がどうしてか初音ミクのコスプレをしていらっしゃる、そのようにしか見えません。存在が外見を凌駕してしまっている。すごいことです。
この像を見て、なんかマズくないか、やりすぎじゃないのか、ちょっとそう思ってしまうのは、ミクが仏像の真似をしているからじゃなくって、仏様にミクの格好をさせてしまっている、ぼくらが無意識的にそう感じ取っているからです。中身がそっちだからです。
うーむ、こういうことって起きるんだなぁ。やはり百年千年と時を超えてきた存在は、それだけのものを持ってるってことなんですかね。