すべての夢のたび。

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中絶することもできます

妊婦の血液を調べるだけで、胎児にダウン症などの染色体異常があるかどうかがほぼ確実に分かる新しい出生前診断を、国立成育医療研究センター(東京)など5施設で9月以降に導入する方針であることが29日、分かった。

日本ダウン症協会の水戸川真由美理事は「出生前診断が胎児のふるい分けとして一般化したり、安易に行われることは断固反対。検査に対する基本的な考え方をしっかりと明示してほしい」と述べた。


考えてみるキッカケとして面白い題材なので取り上げてみます。「出生前診断で染色体異常が見つかったら中絶をしてもよいか?」

……と、一般的な問いの形にしてしまいましたけど、個人的にはまずこの「してもよいか?」と言う形式が、もう嫌でしてねw 昔さんざんやったんですけど(「なぜ人を殺してはいけないのか?」)、良いとか悪いとかは結局は関係ないんですよね。

人を殺すのは悪い、でも、人は殺せる。同じように、中絶はダメだ、という結論が出ても、中絶はできるわけです。そもそも病気も障害もなにもなくったって、個人の都合で中絶してる人はいっぱいいるのだし。

ぼくならどうするか。ぼくは女性ではないので、妊娠したパートナーがいたとして、出生前診断の結果ダウン症だと判ったとして、そうなったら中絶を薦めますね。大変なのが初めから解ってる道にわざわざハマりに行かないです。1%の確率で健常児かもしれないとして、それは無視できる小ささですし。99%の確率で1億もらえるけど1%の確率で死ぬクジがあったらどうしますか。ぼくは迷わず引くw


結論としては、外野があれこれ言うことではなく(まぁ男性も外野かも知れません)、産む人の意志に任せる、ですかね。染色体異常があるならもちろん産んで育てるのはとても大変なことですけど、中絶だってベクトルは違えど大変な話なのです。

でも出てくる「中絶するな」的な話って、単純に不公平感からきてるものだと考えます。いま染色体異常のある子を産んで育てる人の多くには、そもそも選択のチャンスがなかったのだと思うので。しかし、私が大変だったのだからあなたもそうなりなさい、と言うことはできないですよね。


「障害は不幸ではない」という意見もあります。それは個性である、みたいなね。どうかな。ぼくはこれは"優しいウソ"だと思います。慰めの。今の社会はわりと、このウソをウソとバレないように守ろうとする雰囲気があるように思う。でもやっぱりウソには違いないので、「障害は不幸ではない」と、そう考えられない人にまで強制することはできないはずです。

もちろん全くそれをウソだなんて考えず、心の底から「障害は不幸ではない」と感じている方たち(考えている方たち、ではない)もいらっしゃると思います。ぼくはそういう人たちをすごいと感じますが、素晴らしいとは感じないかな。「命は平等であり、かつ、できうる限り生きながらえさせなければならぬ」みたいな、より上位の支配的なウソが蔓延していることの結果でしょう(それで億のカネを集めてアメリカ行って手術したりするわけで)。自分自身を騙し、騙したことを忘れてしまっているのです。それに指を突き付けて暴き立てることをする必要は全然ないですが、まぁウソを付かなくていい技術ができたのだから、今後は是正されていったほうがいいでしょう。


このへん乙武さんにご意見をお伺いしたいものですね。知能の障害と身体の障害ではまた別物かも知れませんが。