すべての夢のたび。

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もう一度世界の見方を変える

量子力学は世界を記述できるか

量子力学は世界を記述できるか

科学の最先端として「物理学の世紀」を演出し、医療やIT、情報工学などさまざまな分野を革新し続けている量子力学。しかしその理論は直観的にはまったく「理解できない」ものだった。量子力学の登場で、世界は、そして科学の意味はいかに変わったのか…。いままで誰も語れなかった「本当の」量子物理学の世界。


すごい本であることはわかるのだけど1/3も理解できていない。さすが世界的物理学者、記述がゾクゾクするくらい簡潔、かつ思考の経路が慣れ親しんだものとだいぶ違うので、たぶんもっと時間掛けてじっくり読まないといけないんだと思う。

そして、引用しようと思った箇所が見つからないw いわゆる粒子の不確定性と人間社会を対比して語った部分。粒子1個はもやもやしててよくわかりませんが、多数になると確率に従うよね、社会も同じですよね、みたいな。そんな捉え方もあるのか!と読んだときは驚いたんだけど、いまこうして書き出してみるとなんかぜんぜんあたりまえというかw もっと核心に迫ることが書かれていたと思ったんだけど……。あとでさがす。


この本は、その量子力学の第一人者が、今の量子力学にケチをつける本なんです。不確定性とかって測定誤差の話なんじゃないの?って思う素人に、いやいやそれが本質なんだよ粒かつ波なんだよ、っていうのが量子力学です。が、この先生は、でもやっぱりそれって単なるものの見方のハナシなんじゃないの、と言ってしまう(測定誤差だよ、と言ってるわけではないので注意)。

あとがきから引用。

 「ああだ、こうだ、と言うだけで結局何が言いたいのだ!!」といら立つ人がおるかもしれない。じつは、言いたいことは単純で、「熱力学もhのない量子力学の半分も、行動のための情報理論であり、それが科学の人間社会の中での公共的価値だ」ということだ。「そんなら、何故そうスッパリ言わないのか?」と詰問されれば、自分にそこまで言い切る論拠も確信も勇気もまだないということである。それと、未練があって、そこに飛躍できないということである。何に対する未練かと問われれば、それは自分が生きてきた人生といってもいい。要するに、上に書いたように考えて生きてきたわけではないということである。


最後の部分、実に正直で感動しました。つまり、物理学(特に熱力学と量子力学)はセカイのナゾを解き明かすものだと思って何十年もやってきたんだけど、そうではなかった……!という実感を得てしまった、という告白なわけです。熱力学第二法則や粒子の不確定性は、世界の法則(物理学)ではない、人間が世界を見るやり方のひとつ(情報理論)にすぎないと。でもそれでいいんだ、社会で役に立つものこそが科学なんだと仰る。

でもここで、それはそれとして、と言いたくなる。それはそれとして、世界に「本当の」実相はないのかと。ガチっと決まってるのが本当だと思ってたのに、実はなんかもやもやっとしたのが本当だと言われ、みんなでやっとそれを受け入れた(アインシュタインはついに受け入れられなかった)というのに、それも違うんだよと言われるw 色即是空・空即是色ですらない、ということなんでしょうか。仏教も物理学も詳しくないのでこれ以上は今はわかりませんw