すべての夢のたび。

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お薦めだけどタイトルがひどい本

「ラットレース」から抜け出す方法

「ラットレース」から抜け出す方法


書店で平積みになってる新刊を見ていたら、懐かしい名前が。アラン・ワッツ、あたらしい邦訳でたのかな? ……と思ったらちげえよ、これ『タブーの書』の復刊じゃん。どうしてこんなタイトルにしたんだ……。

この書名は、はっきり言って最悪です。まるでチープな自己啓発書じゃないですか。ないわー、と思ったら、Amazonのレビューでも同じこと言ってる人いました(笑)。みんなそう思うよなー。

人生のとらえ方が変わるぐらい感銘を受けましたが、売り方が酷いです

なぜこのような邦題を付けたのでしょうか?
これではまるで、企業にこき使われている平社員なんて辞めて自分らしく生きよう!
と、いうようなよくある自己啓発本のようではありませんか。
これはまず自己啓発本ではありません。正真正銘の哲学書です。
人とは、社会とは、地球とは、強いては宇宙とは?という壮大なことが書かれた本です。


そう、これはビジネス・経済・自己啓発のコーナーじゃなくて、思想・哲学のコーナーに並んでたんです。店員さん解ってらしてよかったわ。そもそも原題は『The Book: On the Taboo Against Knowing Who You Are』です。なぜそれが"「ラットレース」から抜け出す方法"になっちまった。

まぁなんか邦題はひどいですが、内容は良いものです。今までお薦めしようにも絶版でAmazonマケプレでも高値だしいかがなものかという状態だったので素直に喜ばしいです。

「あなたが本当は誰であるのかを知る妨げになっているタブー」についての本です。「汝はそれなり」ということが理を尽くして書かれています。このタブーは強力なものなので、ふだんのぼくらは意識できません。それを、ワッツは例え話等を交えながら少しずつ、少しずつ説明していく。そして読み終えて、ええそういうことだったの……と思って、もう一度読み返すと、なんと1ページ目にすでに答えが書いてある! 読んだら世界の見方が一変していた。タブーのせいで、気付けなかったんです。いままで意味がわからなかった。

この本からぼくが受けた影響はそうとうなものでした。まぁでもこの本が必要な人は限られるとは思います。世界ってなんだろうとか気になっちゃう人向け。