キューブラー・ロスという有名な死の研究者は知ってますか?
「死の瞬間」などの執筆で知られる彼女は、死後の生や輪廻転生に肯定的でした。
彼女の著書や講演に勇気付けられ、自らの死を克服した人は数多くいます。
キューブラー・ロスは知ってます。読んだことはないなー。
- 作者: エリザベスキューブラー・ロス,Elisabeth K¨ubler‐Ross,鈴木晶
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/01
- メディア: 文庫
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一番有名なこれの他にも何冊か著書がありますが、みな死や死後の生を肯定的に捉えたもののようです。
しかし、今や亡き者となってしまった彼女が、
死の数ヶ月前に辿りついた結論は、世に余り知られていません。
それが余りに恐ろしいものであったため、親族が口を噤んでしまったからです。
ほうほう。彼女の本はどれもAmazonで高評価で、不安が消えた、癒やされた、感動した、読む価値がある、なんてレビューがいっぱい書かれているんですけど、実は著者は死ぬ前に、自分のやってきたことを全否定してたという。いいですね、こういう話。
彼女が辿りついた結論とは、「死後の生はなく、死後の無もない」というものでした。
つまり、人間は「死ぬ瞬間の光景、感情、痛みを感じながら、そこで時間が停止する」
状態になるのだそうです。
生前自分の死を受け入れていた彼女も、
この結論に辿りついて以来、気が狂ったように叫び、
その瞬間が来るのを恐れ続けたといいます。
いやー。救いがないですね。彼女の本を買った人たちはずっと騙されたままでいたほうが幸せみたいです。
それでまぁ、彼女の言うことはどうなのよ、って話なんですけど、まず「死ぬ瞬間の光景、感情、痛みを感じながら、そこで時間が停止する」はないんじゃないですかね(笑)。どういう思考経過でこんなへんな結論に辿り着いたのか知りたいな。彼女の親族の話とかなにかの本に書いてあるんだろうか。
想像だけど、これ、アキレスは亀を追い抜けない、みたいな話なんじゃないですかね。死ぬ瞬間に人はどんどん近づいていく。でも、その瞬間にならない限りはまだ生きている。どんどんどんどん近づいていくけれどそれはまだ死ではない、みたいに思考を煮詰めていった結果、時間の停止みたいな考えになってしまったんじゃないかなー、なんて。
もちろん、実際にはアキレスが亀をあっさり抜き去るように、過ぎてく時間は死の瞬間なんて簡単に追い越します。そこには死後の生はなく、死後の死というか、要するに死後があります。
ぼくは「死後の生はあるのかも知れない」という考えと「そんなのありっこない」って考えの間を結構ふらふら行ったり来たりしてるんですが、ここ最近はずっと「ありっこない」のほうですね。それでも別に平穏です。あったらあったで面白いけどなくても別に困ることもない。そういう話はまとめて書いてみたいなーとぼんやり構想はしてるんですけど、さていつになるのか。