すべての夢のたび。

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哲学的ゾンビを漫画化する


これはうなりましたね。短いので、とりあえずリンク先へ行って読んできていただければ。コミPo! で作られた漫画ですが、コマ割りが非常に特徴的です。1段3コマ。中央のコマが大きく、左右に狭いコマがある。それが延々続く。


読みました?


では、読んできた前提で解説をします。この漫画は中央のコマが3人称視点で、左右のコマは1人称視点を表現しています。左側のコマがピンク髪の子、右側のコマがメガネの子ですね。

なんで右側のコマは最初から最後まで真っ暗なのか。それはもちろん、メガネの子は哲学的ゾンビだからです。彼女はなにも見ていない。というより、彼女はいないのです。そしてピンク髪の子も、途中でキャラメルを食べることで消失してしまう。左のコマも真っ暗になってしまう。

でも中央のコマはずっと残る。秀逸ですね。これによって、外から見てもなにも変わらない、しかし内側にはなにもないという哲学的ゾンビの特質を、言葉を使うことなくうまく表現しています。みなが哲学的ゾンビになっても日常は続く。このアイデアは素晴らしい。思いついたときひざポンしたんじゃないですかねー。

これぜんぶ文章で書くとすごいまどろっこしいですよね。漫画ならとても簡潔に表現できる。漫画でやれることってまだまだいっぱいあるんだな!と思うと同時に、ぼくとか文章だけの人なので、文章でももっといろいろ伝えられるはずだよなー負けてらんないよな―とか、頑張らないといけませんね、とも思いました。