すべての夢のたび。

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反出生主義はどうすれば論破できるのか

反出生主義とかいうとんでも主義wwww | 不思議.net

反出生主義Q&A


Q.子供を産んではいけないの?
A.生きることは辛く苦しいことです。
 出産すれば子供の意思を問わず生を強制することとなりますから、反出生主義において出産行為は悪です。


Q.生きてれば幸せなこともあるのに、生まれない方が良いの?
A.生まれた人全員が幸せになれるわけではありません。幸せになれない人にとって生きることは苦痛です。
 しかし生まれなければ「幸せになりたいのになれない」という苦しみもありません。


Q.自分が不幸だからそう思っているだけでは?
A.今は幸せな人が、何らかの原因で不幸になってしまう可能性もあります。
 しかし生まれなければ「幸せだったのに不幸になってしまう」というリスクはありません。


Q.親が優秀で裕福ならば子供は不幸にはならないのでは?
A.不幸になる可能性は減るかも知れませんが、保証はありません。
 遺伝子や経済的問題などに関わらず、全ての人は子供を産むべきでないとするのが反出生主義です。


Q.人類が滅亡しても良いの?
A.不幸を解消するために、人類は滅亡すべきとするのが反出生主義です。
 人が存在しなければ、人が不幸になることもないからです。


大元はどこにあったものかよくわからないです。非常にたくさんのサイトに上の文章が載ってます。なんか英語のサイトの翻訳だという話もあり。

さてこのロジックをどう打ち破っていくか考えてみましょう。


まずひとつ思ったんですが、反出生主義の人間は地上に存在しないのではないか?ということです。なぜなら、ある人が反出生主義の立場を取った瞬間、その人は自殺を選択するしかないからです。上のQ&Aで述べられているようなことは、すべていま生きている人にも当てはまります。このまま生きている限り、ある日とんでもない不幸に見舞われる可能性は常にあります。だからいま、即、死ぬべきじゃないですか? いま幸せを感じているなら、なおさらいま死ぬべきです。だってこのまま生き続けてたら結局不幸になるかもしれない。幸せなうちに死んだほうがいいでしょう。生まれたのが間違いなんだからすぐ死ぬべきなんです。

でも反出生主義者ってもっとワガママかもしれないですね。つまり、生まれてきちゃった以上は生きるけど、生まれないほうが良かった、って立場なのかもしれません。(生より死のほうがもっと悪とか?)


「生まれなければ不幸にならない」という命題は真なのでしょうか。この命題はすごく正しいことを言ってるような、無駄に説得力があるような気がします。逆に、ここを攻略できれば反出生主義はおかしいんじゃないの、って言えるんじゃないでしょうか。

家から出なければ交通事故に遭うことはないですし、家から出ないことは可能です。が、「生まれない」ことは可能なのか。「生まれない」という現象をきちんと考えてみると、どこかに魂のようなものがあって、それがずっとどこかにとどまったままで、肉体を伴って現世に出現することがない、というようなことを言っている気がします。つまり反出生主義はなんかそういう魂とかがあるっていう、宗教的な世界観なんじゃないでしょうか。現在の科学的な考え方では、魂のようなものは存在せず(当然、前世来世や輪廻も存在せず)、肉体なしの意識はあり得ないものとされています。つまり科学的な世界観を選択すると反出生主義の立場を取ることは難しくなってくるわけです。なぜなら生まれてこない限りは話が始まらない、幸福も不幸も生まれた後の話でしかないということになるからです。「生まれなければ不幸にならない」というのは、文法的には正しいけど意味はない、意味があるように聞こえるだけ、ということになります。

上で言ってることは割合正しいはずなんですが、しかし説得力には欠けますね。もっとバーンと、「生まれなければ不幸にならない」みたいな、シンプルで刺さることばを持ってこないと、反出生主義は論破できなさそうです。


仏教は生は苦であるという立場だった気がします。では仏教は反出生主義なんでしょうか。生まれないほうがいい、って言ってるんでしょうか。輪廻から抜けろとは言っていたと思います。何度も生まれてくることは止めろとは言っていたはず。でも、最初に一度生まれること、それすら否定していたかどうかはぼくは知りません。否定はしてないんじゃないかなぁ、という気はします。


反出生主義、なんか、ちょっとネタにして考えてみようと思っただけなんですが、これ全然深いですね。短い時間で考えきれることじゃない。もちろんぼくは反出生主義の立場は取りません。現に幸福で、生まれてよかった、という実感があるからです。でも、現に不幸で、生まれてこなければよかった、と考えている人がもしいたとしたら、どういうことばを掛けてあげればいいのかはわかりません。もしかしたら、反出生主義というのは、そういう人たちがすがるなぐさめのようなものなのかもしれません。だとしたら、別に打ち破る必要はないのかもしれないですね。だってぼくにそれに代わるものが提供できるわけじゃないのだし。