すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

私は脳の一部

実録漫画:交通事故で頭を強打したらどうなるか?


以前ちょっと話題になって読んだ漫画。最近ついに完結したらしく、改めて全部読んでみました。

病院で目覚める自分。どうやら事故にあったらしく、今やっと意識が戻ったらしい。しかし、意識が戻る前から自分は起きて歩き、人と会話し、それなりに病院での生活をおくっていたらしい……?という話です。まぁ要はぼくの好きな話ですね(笑)。「意識とはなにか?」っていう。

第9話の2ページ目に作者が悟ったことがまとまっています。「私」なんかいなくてもこの体は動く。「私」とは脳の機能の一部にすぎないのだと。ふつうの生活を送っている限りはそんなことに気づいたりはしないんですが、ここで語られてることがほんとうのことなんでしょうね。この作者の人は特殊な状況下に置かれてそれを実感し理解し、ぼくらに教えてくれたわけです。

若干気になるのは、「私」が存在しないのと、「私」は存在するがそれを記憶できないのとは、見分けがつかないんじゃないかってことです。入院してしばらくたったある時点で突然「私」が目覚めたのか、それともそれ以前から「私」は目覚めていたけど当時の記憶がないのとって、わからなくないですか? この人も、完全に継続して意識が戻る前に、ごく短時間だけ意識が戻ったことが何回かあるように描いてますけど、それってずっと意識はあったんだけど自分が覚えているのがその短時間の部分しかないとも考えられますよね。もしかしたらその2つは同じことなのかも知れないですが。意識と記憶とは分かちがたく結びついてるんじゃないかと思います。

しかし、漫画を読むと、この人の意志の強さに感服します。ぼくが同じ状況になったらここまで努力できるとはとても思えません。絶望して途中で投げ出してふつうにただの重度障害者になるか自殺する気がします。そんな長い話でもないので読んでみてください。