すべての夢のたび。

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マルウェア開発者はどんな人か


このインタビューはめっちゃ面白かったです。マルウェアはどんな人が作ってるのか。日本人。女性。高校教師。現実が想像の先を行く感じ。

このミーティングで私(THE ZERO/ONE編集部)を指名した理由は? そして、なぜ告白をしようと考えたのですか?
 
あなたを指名した理由は、このようなバイナリのお話が簡単にできるからです。告白した理由は第三者に話しておくことが、これからの私たちに必要な状況である、ということです。
 
なにかの欲求に基づくものではなく、意図した目的があって公表しておく必要があるということですか?
 
そのとおりです。


なんだこのサスペンスな展開は。

インタビューを見ていくとこの女性は相当頭が良くて、かつクールというか醒めている……印象を受けます。そして悪意についての考え方が面白かった。ちょっと長くなりそうですが引用。

だから、当時インターネットでマルウェアのことを「悪意のあるプログラム」という表現が使われ始めたのですが、私はこの言葉に強い違和感を持ちました。「悪意」という相対的な言葉で、プログラムをカテゴライズすることに、どうしても馴染めなかったんですね。
 
相対的な言葉とは、どういう意味ですか?
 
悪意の対極には善意があるはずでしょう? この当時、世の中ではマイナス・イオンなんて言葉が盛んにもてはやされていたのですが、仮にマイナス・イオンが機械から出て来るなら、プラス・イオンはどこにいったのかなと思いますよね。同様に「悪意のあるソフトウェア」があるとしたら、「善意のあるソフトウェア」も存在しないといけません。
 
このように、相対的な言葉の片方だけを、迷うことなく本気で使っている専門家という人たちは、頭が悪いなと思いました。自分が使っている言葉がわかってないのです。悪意のあるツールがあったとしたら、同時に存在しているはずの善意のあるツールがどこにいったのかまで、ちゃんと説明しなければいけないでしょう? 知らなくて黙って誤魔化しているなら、まだ良いです。問題なのは、その人たちは本気でその種のソフトウェアには「悪意しかモチベーションが存在しない」という前提で、論理を組み立てているのですよ。少なくともそういう考えの人たちと仲間にはなりたくないと、その時に思いました。この考えはいまでも間違いなかったと考えています。


うむ……。含蓄があります。うちの会社もセキュリティ対策いろいろやってますけど、まぁマルウェア=悪意のあるソフトウェアってことになってますよね。でももしかすると、底流の思想が根本的に異なるものであるがゆえ、対策がうまくいってない……って部分もあったりするのかもしれないなぁ、という気もしてきます。