もちろん、人は死ぬまで１人です。
少し前、全裸の外人男性２人がビルの４７階から飛び降りる、
って事件があった。うーん意味解らん……とその時は思った。
今は解る。多分彼らはひとつになりたかったんだろう。
〓 世界と自身とを分かつ壁は 人を象り閉じ込める檻 〓
（“ＣＲＯＳＳＩＮＧ” 田中ロミオ）
人は、人の身を借りている限り、
決して他人とひとつになることはできない。
どれだけ、どれだけ近づいても、このヒフが邪魔をする。
なら人でなくなればいい。
全裸で抱き合って１７０ｍからダーイブ、ですよ。
そしてどっちがどっちともわからんひとつのぐちゃぐちゃに。
ロマンティックですね。
あ、もちろん、心はひとつとか繋がってるとか、それも無理です。
恋人同士なんて「私は彼（彼女）のことが解るし、彼（彼女）も
私のことが解る」と互いに錯覚した人がペアになってるだけ。
２つの時計が、今たまたま同じ時刻を指していたからって、
それは時計同士が繋がってるわけじゃない。そしていずれ狂う。
信じることと知ることは違う。
他人の心の内は知れない。信じることしかできない。
むしろ、信じたいもの見たいものを勝手に見てしまい、
挙げ句「あの人は変わった」などと言い出すのがオチ。
〓 分かりあえやしないってことだけを 分かりあうのさ 〓
（“全ての言葉はさよなら” 小沢健二）
繋がる可能性があるとしたら、ただその一点に措いてのみだろう。
いささか心許ない賭けだが、まぁ賭けてみますか。
ほんとは、今日死刑が執行された宅間守という人について
キチンと考えてみたかったのだけど、
死刑確定後の彼に何度も面会してた大学教授がいるそうで。
その辺から彼の考えとか伺い知れるかもしれないので、
また次の機会に。
