すべての夢のたび。

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音漏れキャンセリングヘッドホン

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当社の画期的な新製品、音漏れキャンセリングヘッドホンUM-3DTH(インナーイヤータイプ)についてご紹介いたします。当製品は、ノイズキャンセリングヘッドホンの技術を応用したものです。内蔵された音漏れキャンセル回路が、ポータブルオーディオ機器からの音声信号より、音漏れしやすい周波数の音を抽出します。そして、逆位相の波を生成し、ヘッドホン外部に取り付けられた直径5mmの超小型ネオジウムマグネットスピーカーより放出。音漏れの波と逆位相の波が互いに打ち消し合うことにより、周囲に漏れる音を約10db(聴感上約1/3)低減することが可能となりました。

Yは街中で主に音楽を聴いているらしい(普通はそうか)。わたしは、音楽を聴きたくてヘッドホンをしている場合が3割、街中のノイズ(駅前の下手なギター、電車内のおばさんや女子高生の会話、秋葉原のパーツ屋やアレゲな店でのアレゲな人々の会話など)を遮断したいがために音楽を流している場合が7割だ。


Yと意見交換し、結論として「彼ら・彼女らは、うるさいと注意する前にもっと我慢するべき」ということになった。以下に理由を述べる。

まず、実際は漏れる音はそれほど大きくないのだ。以前、混んでる地下鉄の車内で吊革につかまっているとき、となりの男性から注意されたことがある。おとなしく音量を下げると、とたんに目の前のシートに座っているおばさん2人の大声が耳に入ってきた。どう考えてもこちらのヘッドホンからの音漏れよりおばさんたちの声の方がうるさい。というより、そもそも地下鉄の走行音自体が遙かに大きい。(生まれつき目が不自由な人の話によると、地下鉄などは四方八方から押し寄せる轟音の渦であって、目が見えないととても耐えられるものではないそうだ)

それでは、なぜ音漏れは目立ってしまうのか。ひとつ考えられるのが、いわゆるカクテルパーティ効果である。パーティのような騒がしい場でも、自分が気になる特定の人の声はちゃんと聞き分けられるというあれだ。同様の原理で、さして大きい音でもないヘッドホンの音漏れが、ハエやカの羽音のように耳についてしまうのではないか。

また、電車内では沸点が下がっているということが考えられる。会社帰りの混んだ車内で背を押され脇を押される。やかましいOLや学生。誰かの奇妙な臭気。疲れた脳裏に浮かぶ部長の顔。今日もうまくいかなかった。家に帰れば帰ったで息子も娘もアレ。そこに(わずかな)ヘッドホンの音漏れ。「!!っ」となるのではないだろうか。気持ちはわかるがいい迷惑だ。そちらの問題はそちらで片づけ、どうか理不尽な怒りをこちらにぶつけないでいただきたい。その怒りの大半はこちらの非ではないのだ。

もしかして、向こうはこちらだけ音楽を聴いている=トリップをしているのを不公平と感じて、辛い現実の車内に引き戻したいのかもしれない。それは大いに考えられる。わたしもあまり車内でトリップするのはよくないかもしれないと思う。電車内で化粧するOLと同じで、そういうのは人に見せるものではないからだ。公私の区別がどうのこうの、というやつだ(以前、小田急線の神奈川の奥の方で、カップラーメンを食べつつ電車に乗ってきたおじさんがいた時はさすがに驚いた。車内に充満するスープのにおい…)。

あと「シャカシャカいってるだけではなんの曲かわからなくてイライラする」「単に本当にうるさい」という場合もあるかもしれないが、これは例外だろう。


そんなわけで、以前から考えていたアイデアを披露させていただく。画期的である。発想を変えて、ヘッドホンからわざと音を漏らすのだ。「おあずけ」をくらったイヌの流すよだれのようにダラダラと、××老×の×××のようにダダ漏れに、Yahoo!BBの個人情報のように際限なく漏らしまくれ。そして、漏れる音と逆位相の音を超小型スピーカーより放出。互いに打ち消し合って音漏れが消えるという原理だ。ほんとうか。特許料はいらないのでどうか作っていただきたい。SONYでもいいのだけど、ここはぜひBOSEにお願いしたいところ。お得意の「ボーズ・ナントカカントカ・アクースティック・ナントカカントカカントカ™」でナントカしてほしい。なんだかバオー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノンのようだ。

それより、実在の人物なのか? ボーズ博士。どうもわたしのなかではノートン先生とおなじくらいの非実在感があるのだが。