すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

円周率と自由意思

昨日のエントリは、タイトルを思いついた瞬間に「もらった」と思った。だってあんな馬鹿なタイトルないでしょう? それから内容を適当にでっち上げました。たぶん女の人って円周率とかあまり好きじゃないよな……って思って、似非科学ライターっぽい感じで(似非「科学ライター」?「似非科学」ライター?)、なるべく判りやすくなるようにと心懸けて書きました。ていうかここで「女の人」とか言っちゃうのが、なんかのハラスメントなんですか? 政治的に正しくなかったらすみません。

甲斐あって、小飼弾さんにトラックバックをいただきました。先日「古典倫理学にみる因果律の破れについて」を書いたときは、批判対象を限定したにもかかわらず、それが読めてない人が多く見掛けられたので、今回は限定条件(=「円周率の各桁の数字の並び方が完全にランダムであるとした場合」←ランダムであることは証明されていない)を最初の節に切り出してみました。それをちゃんと酌んでいただいた上で反応をもらえたのでよかったです。

興味深かったのが、ブックマークしていただいた方の多くのコメントに、イーガンの「順列都市」が挙げられていた点ですね。最近は最初にこのネタに触れるのはイーガンってことになってるんでしょうか? という自分がどこでこの話を読んだのかは忘れてしまいましたが。でも小学生の頃には「俳句は有限だからつまらないんじゃないのか」とか、中学校の頃には「全ての俳句を出力できるプログラムを特許登録したら、まだ詠まれていない俳句の著作権を全て押さえられるんじゃないのか」とかイヤな子供っぽいことを考えていました。

円周率の各桁が完全にランダムなら、たとえば聖書の全文もおそらくどこかに出てくるでしょうね。でもそれより早く、「聖書は全部ウソ」って文章が出てきそうな気がします。相反する主張が全て出てくるんじゃないか? もちろん「円周率の中に出てくる内容は全部ネタでした」って文章も出るだろうし、「ネタでした、っていうのはウソでした」ってのも出てくるだろうし、金正日のノーベル平和賞受賞の様子の詳細なレポートも出てくるでしょう。で、「円周率の中に出てくる内容は金正日に関すること以外全部ネタでした」って文章もあるはず。結局、それをどう解釈するか、の問題になるのではないでしょうか。

crow_henmiさんのとこのコメント欄にちょっと書いた内容。

# michiaki 『地球暗号制御局員の俺が来ましたよ(嘘
逆に、円周率をその始めから一桁も余さず使用して意味を織り上げる解釈系を作るのはどうでしょうか。17進数で読んでみたらなんとか星人のお経でしたとか。』

コメントしたあと考えた。たとえば「1=俺」「2=お前」「3=愛」「4=正義」「5=真実」と置くなら、「3.1415」は「愛。俺正義俺真実」となるわけで、ここからはなにか意味を汲み出せそうな気がします。というよりも、円周率を何万桁も暗唱する人がやっていることはまさにこのことですよね。無味乾燥な数字の羅列を何らかのイメージに結びつけて暗記をしているはず。つまり「円周率をその始めから一桁も余さず使用して意味を織り上げる解釈系」は驚くべきことに現存していたのです。なんてこった。いまのところ先頭から8万桁ぐらいまでが対象のようですが、任意の位置の任意の桁数を与えても、この解釈系はそれをイメージに変換できるはずです。

そんでもって実際はぼくはどちらかというと「人間に自由意思とかないんじゃないの」派です。「あろうがなかろうがあるように感じられればそれで構わないし問題ない」派、かもしれません。まぁ、最初に自由意思の定義をはっきりさせる必要があるんでしょうね。