すべての夢のたび。

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とらのあなの同人誌展示の改悪について

秋葉原のA館の話です、ほかのところは知りません。


今までは同人誌は、見本となる本が一冊用意され、表に書名や著者名・ジャンル・発行日・価格等を書いたタグが貼られ、裏には内容の縮小コピー4P分が添付(本自体はラップされ中は見れない)、というような形式で展示されていました。これは別にとらのあなに限ったことではなく、他店でも一般的な方法だと思います。

で、コミックマーケット76の新刊が店頭に並び始めた頃、とらはこれをやらなくなってきたんですね。単に本をラップしてPOS用バーコード貼って平積みにするばっかりになった。ぼくは、新刊入荷量が多いので見本を作る作業が遅れているのかな、などと考えていました。しかし一週間後に行っても状況はほとんど変わらず、平台に並べてある本の半分以上は内容見本が添付されないままでした。

そして今日行ったら、展示方法が今までと変わっていました。どうなったか? 内容見本を同人誌とは別に用意するようになっていたのです。形態は、同人誌と同じB5サイズのコピー1枚がパウチされたり"透明な下敷き"に挟まれて、平積みの同人誌の上に置いてある、という感じです。コピーは以前同様に4分割されていますが、右下は従来の表側のタグに書いてあるような内容(書名やジャンルなど)で、左下は表紙のカラーコピーとなり、左上と右上が内容の縮小コピーとなっています。つまり、内容は2P分しかわからない、ということになります。

これをぼくは改悪と感じました。客にとってのメリットが浮かばずデメリットばかりが目立つからです。


同人誌を買うときどのような行動を取るか? 今まではまず、平台に大量に並べられている本の中から気に入った表紙の本を手に取り、更に裏返して見て内容コピーを見る、という手順でした。まぁ多くの人はこんな感じじゃないかと思います。

ところが今は、表紙の上に余計なものというか縮小コピーパウチが乗っかってしまっているため「表紙で選ぶ」ということが出来ないんですね。確かに表紙のコピーもそこには印刷されてはいるのですが、面積1/4では歩きながら見るには辛いレベルです。パウチを手にとって表紙の部分を見たのですが、結局積んである本物の方を見なくてはいけないとすぐ気付きました。縮小されくすんだ色になりタッチも潰れた表紙コピーでは、自分の好みの絵であるか判別し難いからです。

そして内容コピーも2Pと、今までの4Pの半分になってしまいました。ほんとうは客としてはラップなんかせず中身を全部見ることができれば一番なのですが、それだと全部読んじゃって買わない客も出てくるでしょう。だから4Pだけ見せるという判断は結構妥当だったんじゃないかと思うのですが、それがいきなり半分です。好みに合わない本を引く確率は間違いなく上昇するでしょう。

今までなら、「全ての本を眺めて」「気に入った本を手に取る」という行動だったのですが、今度からは全ての本をチェックしようと思ったら、いちいち全ての縮小コピーパウチを手に取らないといけません(そして過去の癖で裏返してしまいますが(笑)、裏にはなにもありません)。必要な時間が段違いに増加します。そのうえ見本ページの減少によってヒット率は低下と、何もいいことが思いつきません。

店側としてはいったいどういうメリットがあるのでしょう。今までと見本の作成の手間は大して変わらないと思うのですが……。今までなら見本で使ってた最後の一冊まで綺麗な状態で売れる? それとも、児ポ法対応かなんか?(表紙に"ふた"をしたわけですから)


とらのあなの、ドアをくぐるとそこは宝の山、といった雰囲気は、もうなくなってしまいました。平積みの大量の同人誌は待ち構えておらず、くすんだ縮小カラーコピーの表紙が、擦り傷だらけのパウチや下敷きに挟まれて並んでいるばかりです。そこには輝くオーラはもうありません。これ全部端からめくってかないといけないのかよ……と思って、コミケ後の混雑もあったのですがうんざりして何も買わずに帰って来てしまいました。

で、自分はなにをそんな本気で熱くなって怒っているのだろう……? いやまぁ、別に同人誌買わないと死ぬわけではないんですが……。他の店で見ればいいのかもしれないし。それともこれを機に買う量を減らすとか、そういうのでもいいのかなぁと思いました。でも、あの展示方法が売り上げに影響するのかどうかはちょっと気になるところです。