すべての夢のたび。

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問題になる自殺

 【香港共同】中国広東省深セン市にある台湾系大手電子機器メーカー、富士康集団(フォックスコン)工場で、飛び降り自殺を図ったとみられる工員の転落死が相次いでいる。25日にも1件発生し、今年に入り2件の未遂も含めて11件目。職場環境が背景にあるとして労働者団体が製品の不買運動に乗り出すなど、波紋が広がっている。


あれ、確か2-3日前は10人だったよなー、と思ったのですが、昨日で11人目とのこと。新型iPhoneの流出写真が出るたび誰かが責任取らされてるんじゃないか、なんて怖い憶測もありました。しかし記事のこの先の部分を読んでふいた。

 この工場は米アップルの携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」など欧米メーカーの精密機器を受託生産。約42万人が勤務する世界最大規模の労働集約型工場といわれる。


ちょっと待て。なんだその42万人ていうのは。これがほんとうだとすると、5ヶ月で11人は1年で約26人、16,000人に1人ぐらいが自殺する計算です。一方日本、1.2億人で年3万人とすると、4,000人に1人です。なんだ、日本のたった1/4じゃん。うまくコントロールできてんじゃん。11人とかいう数に騙されるところでした。これはもしかしてAppleに悪印象を与えるための誘導的な記事なんではないでしょうかっ。

とはいうものの、工場に42万人勤務という数字はにわかに信じがたい面もあります。むしろこの数字は工業団地全体かなんかで、その一角の1万人とかの工場でこれだけの自殺者が、というんだったらもうちょっとリアリティがあるかもしれない。いやいやそういう話じゃなくって、人の命を数字に換算してうんぬん、人間の尊厳がかんぬん、ってことなのかも知れません。自殺率が下がったーなんて話をもし聞いてもそんなので喜んでいてはいけない。それはもともとよくないことなんだからゼロでなくちゃいけないんだよみたいな?


でもまぁ、日本で年3万人自殺してても、社会的に困ったという話も別に聞かないんですけどね。「社会問題」にはされているらしいですが。しかし、働く人が足りなくて困ったとか、最近突然見かけなくなる人が増えたとか、職場でいつも話題になるとか、そういう目に見えることにはなってない。溶けるように消えてしまってる、というか、もはや年3万の喪失は折り込み済みとして日本は進んでいるのだと思います。