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ドン・ファンシリーズ新装版発売!

ドン・ファンの教え (新装版)

ドン・ファンの教え (新装版)

  • 作者: カルロス・カスタネダ,真崎義博
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2012/03/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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分離したリアリティ (新装版)

分離したリアリティ (新装版)


カルロス・カスタネダのドン・ファンシリーズがなんと新装版で出ることに。びっくりした。

というのは、このシリーズ、ぼくはだいぶ前に途中まで読んだんですけど、最近になってもういちど最初からちゃんと読みなおそうと思って、旧版を古本で集め始めてたんですよ。そしたらこのタイミングで新装版が出た。ゆるいシンクロニシティだなw いやー、せっかくだから、新しい方で読むでしょう。ということで2冊買ってきちゃいました。

呪術師との出会い、そして、新たな宇宙観の学びのはじまり。すべての起点となった第1作。

戦士としての生き方と死。そして、「見ること」とは。深化する第2作。


カスタネダは白人の人類学者なんですが、フィールドワークとしてメキシコのヤキ・インディアンの呪術師ドン・ファンの弟子になるんですね。そこでいろいろ教えを学びながら非日常的体験をしていき、だんだんと世界観を変えられていってしまうわけです。

ちなみにシリーズ2冊目『分離したリアリティ』のオビは細野晴臣さんが書いてた。

「ぼくの人生を変えた本。
 ドン・ファンが説くことは、具体的で明快だ」
ーー細野晴臣


とりあえず新装版はシリーズの1-4巻目が出るようです。そしてもうひとつ新装版のポイントがあります。ドン・ファンシリーズは全10巻構成なのですが、第4巻を除いた9巻は二見書房から出ていました。けれども第4巻だけは、どういう経緯でそうなっているのかは知りませんが、なぜか講談社学術文庫として刊行されていたんです。訳者も他の巻とは違っていました。

第4巻『未知の次元』(原題"The Tales of Power")は、シリーズの精髄とも言える内容です。しかし講談社がサボっていて、もう長いこと再版されず品切れ状態であり、他のドン・ファンシリーズは新品で買えるのに、核となる4巻だけは定価より高い価格で古本で買うしかない状態でした。

しかし今回、『未知の次元』も新装版で出るという。しかも訳者も統一される。これは事件です、少なくともぼくには。この本、ほんとうにすごいんだけど、日記でも何度か紹介してるんだけど、手に入りにくいってのが一番のネックだったんですよね。もうねー、放蕩息子の父親の気分ですよ。それは死んでいたのに生き返り、いなくなってたのに見つかったわけで、こんなうれしいことはないですよ。

そういうわけで、『未知の次元』の新装版はこの秋に出るらしいですが、出たらまた宣伝する予定ですw


『未知の次元』からドン・ファンとカスタネダの対話、ちょっとだけ引用してみましょうか。

 ドン・ファンはくすくす笑い、腕を頭のうしろにやってあお向けになった。
「お前はまさに必要なことを知っている」と、彼は言った。
 ときとして知っているような気がすることもあるが、たいていは自信がもてない、とわたしは言った。
「お前は問題をとりちがえているのではないかな」と、彼は言った。「戦士の自信は、ふつうの人間の自信とはちがう。ふつうの人間は、傍観者の目に確実だと見えるものをさがして、それを自信と呼ぶ。戦士は自分の目で落度のないものを見つけて、それを謙虚さと呼ぶ。ふつうの人間はまわりの人間にとらわれているが、戦士は自分自身にのみこだわる。おそらく、お前は虹を追っているのだ。戦士の謙虚さをこそ求めるべきなのに、お前はふつうの人間の自信を求めているのだ。その二つのちがいは、じつに大きい。自信は何かを確実に知ろうとする。謙虚さは、自分の行為と感情に落度がないことを求める」
「これまであなたの指示に従ってやってこようとしてきた」と、わたしは言った。「申し分がないとは言えないかもしれないが、できるだけのことはやっている。それが落度のなさではないだろうか?」
「ちがう。それ以上のことをやらなければならない。つねに自分の限界を超えようとしなければならないのだ」