すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

ガンになるまで食ベクレ放題!

今日の記事の目的:

毎日同じものを1Kg、1年間、1万人が食べ続けたらそのうち1人がガンになる。そんな食べ物があったとしたら、それは「何ベクレル/Kg」の放射能を持っているのかを記す。


ツイッターをやっていると、毎日のようにこんな恐怖情報を目にすることになります↓

10だ100だ500だと、どうしてこういう人たちは量あたりの単位を付けないのか、それがいつも気になっているんですけど、「キログラムあたり」があたりまえの考えなので省略してるのだろう、と好意的に解釈することにします。(1キログラムの明太子を想像せよ!)

さて、では、たとえば上に出てくるケロッグオールブラン10ベクレル(/Kg)はいったいどのくらいのヤバさなのでしょうか? こちらの「ベクレルとシーベルトの変換」という記事にはこんな記述があります。

1年に1mSvの放射線を受けると、一生のうちにガンになる確率は0.000073増えるとされています。1年に1mSvの放射線を(自然に浴びるもの以外に)浴びた人が1万4000人いたとすると、1人はそれが理由でガンになるわけです。


このページには親切に計算機まで付いているので、ちょっと確認してみることにします。セシウム137が10ベクレル/Kg含まれているケロッグオールブランを、成人が、口から、毎日1Kgずつ1年間食べた場合の実効線量は「0.23725mSv」でした。うまいこと、ほぼ1/4mSvになりました。ということは? 「ケロッグオールブラン(10ベクレル)」を毎日1Kgずつ365日食べた人が5万6000人いた場合、そのうち1人はそれが理由でガンになる、そういう計算になります。

ちなみに上記の計算は、ベクレル→シーベルト換算基準を一番厳しい「ヨーロッパ放射線リスク委員会(ECRR)勧告」でやっています。ICRPや原子力安全委員会の基準だと、もっとゆるゆる(数分の1とか)です。


さて「1年1mSv浴びると1.4万人に1人がガン」ということは、これを「1万人に1人」に直すと「1年1.37mSv」になります。同じ基準でベクレルになるよう逆算してみると、58ベクレル/Kgという数字が出てきました。というわけで、これが今日の記事の目的の数字です。


58ベクレル


覚えておいてください。58ベクレル/Kgのものを、毎日1Kg、1年365日食べ続けると、1万人に1人がそれが原因でガンになります。わかりやすいでしょ? 一番厳しい基準で計算してもこんなものです。

そんなわけなので、このことを覚えておくと、放射脳な皆さんがよく流す「○○○○から何ベクレルが検出された!」という情報は、ほとんどの場合、単なる安全情報だということがわかります。食べても平気なものについて、親切にも自分たちのお金で検査して教えてくれている。

そもそもだいたい、同じものを1日に1Kgも食わない。1年毎日食べない。もし1年毎日1Kg食したとしても、ガンになるのは1万人に1人です。これは「もう食べられない……」と言ってオロオロするようなヤバい数字でしょうか? 毎度思うのですが、この程度のリスクを気にするようであれば、横断歩道ではもっと左右をよく見てから渡るべきです。そのほうが、あなたの生存確率は確実に上昇します。



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以上は、一応の目安として考えてください。実際には、半減期やら、体内から排出される割合やら、年齢による感受性やら、そういうのも考えないといけないでしょう(あと、ほんとは一度に365Kg食べないといけなくてw 1Kgずつ1年毎日だともっとリスク減っちゃうはず)。

仮に、子供の放射線への感受性が大人の10倍だったとしても、「1万人に1人」が「1000人に1人」になるだけです。いや、1000人に1人だとちょっと多いかも……心配かも……もしかしたらうちの子はガンに……って思ったら、1年毎日同じものを1Kg食べるのを、もっと減らしたらいいんじゃないかと思いますw

あと、上の方のツイートの引用で「浄水場からセシウム500ベクレル」ってのがあります。が、これは「水道水1リットルあたり」ではなく、「浄水場発生土1Kgあたり」です。浄水場発生土ってのは、原水をろ過して取り除いた細かいにごりや土砂の類です。いったい何千何万リットルの水をろ過するとそんなものが1Kgも採れるのかはわかりませんが。