すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

Appleはまだ進化の余地がある

All Things Dが、Appleの組織変更に関して、ハードウェアのデザインを統括し、数多くの素晴らしいデザインの製品を出しているJonathan Ive氏が、OSなどヒューマン・インタフェース(HI)のリーダーとなったことで、Appleの見た目とフィーリングが統一的なものになることが期待されると予測しています


iOS6の地図の件で責任を取らされて誰々さんが辞任、ってニュースが巷を賑わしてましたけど、ほんとうに注目すべきはこっちじゃないかって思っています。サー・ジョナサン・アイブのOS UI部門責任者就任。

ジョナサン・アイブと言えば、初代のiMac、まだブラウン管だったころのiMacから最新のiMacまでのデザインを手がけたインダストリアルデザイナーで、もちろんiPodやiPhone、iPadも彼の手になるものなのですが、そのハードウェアデザインのリーダーが、今度はソフトウェアのUIデザインも担当するという。これは結構大きな話になると思うんですよね。

以前、Telegraphのインタビューで、ハードウェアのシンプリシティは、ソフトウェアのそれとは必ずしも一致しておらず、iOSやOS Xには「skeuomorphism」(実在する物に似せたデザインによって、それがどのように動作するかを本物同様に認識させる考え方)があり、フェイクステッチについて言及されると「私の仕事はチームとプロジェクトについて話し合い、ハードウェアを開発することであり、その質問については関わりがないこと」と答えていました。


ちょっとわかりにくいですが、ジョナサン・アイブは現在のOS X/iOSのUIデザインに不満を持っているのです。でもこの時のインタビューでは、一瞬言葉に詰まったものの「私の仕事はハードウェア開発」と一線を引いて、そのことを表立っては言わなかったんですね。まぁApple社内にこういった派閥が存在するというのをあえて言うこともなかったのだろうと思うのですが。

しかし、UIデザインリーダーになったら変わるでしょうね。ジョナサン・アイブは、実在するものに似せたUIがどうも好きではないらしいんですよね。それがどういうのかというと、例えば電子書籍アプリのiBooksでページをめくるとき、紙の本と同じようなアニメーションをするとか、メモ帳アプリが実在のメモ帳を模してデザインされているとか、そういうのです。そういうのがお嫌いらしい。コンピュータの上で何かをしようとするなら、現実の何かを真似るのではなく、ソフトウェアに適したUIデザインが存在するはずだと、そういう思想を持っています。

しかもハードウェアデザインは今まで通りやってくわけなので、ついに1人でハード・ソフトをトータルにデザインすることが可能になるわけです。こりゃ期待大ですよ。なんとなくそれぞれバラバラなデザインだったiPhoneのアプリが、いずれはビシッと統一がとれた奴に変わってくるのかもしれない。まぁ次のiPhoneとかはもう作ってる最中だろうから、そういうのが出てくるまでにはしばらく掛かりそうではありますけど。でも「進化ではなく改良」とか言われてる最近のApple製品に新しい風を吹き込んでくれることになるんじゃないかなーと思ってます。