すべての夢のたび。

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羽生の天才

 人類は、自らが生み出した「人工知能」に「参りました」と頭を下げるしかないのか。2012年に故・米長邦雄・永世棋聖の「衝撃の敗北」から始まったプロ棋士vsコンピュータソフトの電王戦。昨年の第2回大会でも1勝3敗1持将棋(引き分け)と惨敗し、今年の第3回大会では1勝4敗と形勢は悪くなるばかりだ。
 しかし、ただ一人、コンピュータ将棋の「進撃」を喜ぶかのような男がいた。不世出の天才棋士、羽生善治三冠(43、王位・王座・棋聖)である。作家の大崎善生氏が、その“喜び”の意味を解説する。


この記事はうなりましたね。オセロが解明され、チェスが解明され、さてコンピュータの次のターゲットは、将棋。その将棋における人間対コンピュータの対決でも、いま人間側の負けが込んできてるわけです。しかしそこでただひとりコンピュータの勝利を喜んでいる将棋指しがいるという。それが羽生だというのです。

 96年に史上初の七冠を制覇した直後、羽生は将棋雑誌編集者であった私に、「これからは勝ち負けとしての将棋ではなく、本質に迫っていきたいと思う」と語ってくれたことがあった。

 将棋とは何か、どういう結論が待っているのか、完全解明してみたい、もしそれが無理だとしてもできる限りそこに向けて少しでも近づいていきたい。羽生がその言葉をこの世に落とした瞬間に、将棋界は変わったのではないかと私は思っている。全タイトルを奪取した完全な帝王が新しい方向を指差したのである。

 勝ち負けから解明へ。

 将棋の本質は何か。自分たちが戦っているのは本来は何を競うどういうゲームなのか。そもそも将棋の完全解明は可能なのか。その結論はどういうものなのか。彼のその発想が出発点だったんだと思う。


おなじ将棋のはずなのに、羽生ただひとりが違うゲームをたたかっている……! 9×9の盤上というのは要するに世界の縮図なのであって、羽生は、棋士だから、将棋を通じて世界の本質に迫ろうとしてるんだ、と、そうぼくは感じました。

 将棋がコンピュータによって完全解明されてしまったら、どうするんですか。という質問に、羽生はケラケラ笑いながらこう答えた。

「そのときは桂馬が横に飛ぶとかルールを少しだけ変えればいいんです」

 その瞬間に将棋は新しい命を与えられ、なにもかもが一からやり直しになる。天才の視野にはそんなことさえ映っているのである。


こんな回答ができるのは天才しかいません。自分が人生を賭けたもの、賭けた勝負を、笑い飛ばそうというわけです。手を叩きたくなる。そう、ちょっとルールを変えた瞬間に、コンピュータはぜーんぶ計算しなおしです。また人間に追いつくまでにどれだけ掛かることか。でも人間なら、ルールを変えたその時から、あらたな将棋に適応していくことができるでしょうね。

うーむ、羽生すごい。とてもとても叶わぬ知性だと思いました。彼だけが違うこのゲームをしているのだとしたら、つまり将棋とは羽生なのだ、最終的にこんな天才を生み出したことが将棋だったのだと言えるのかもしれません。


追記:このコピペは貼らないとね。

友A:羽生はどれくらい凄いの?
友B:簡単に言うと日本の将棋には7つのタイトルがある
友A:うん
友B:過去10年間だとのべ70人のタイトルホルダーがいるわけだ
友A:うんうん
友B:その70人のうち半分の35人が羽生だ
友A:( ゚д゚ )