すべての夢のたび。

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謎に惹かれる話

クモを操り一方的に搾取する寄生バチ、殺す直前に自分専用の強固な網まで作らせていた(神戸大学研究) : カラパイア

 生物界における恐るべき「寄生」のメカニズムがまた一つ明らかとなった。宿主を洗脳し生かさず殺さずの状態で一方的に利用し、用済みとなったら殺してしまう寄生生物は数多く存在するが、クモヒメバチの幼虫は、クモの体液を貪りながら成長を続け、殺す直前に自らが安全に蛹になれるよう、強固な網を作らせていたことが判明した。

 ここまではクモが網を維持してくれていたが、クモを殺してしまうと誰も網をメンテナンスしてくれない。捕虫に長けた網は非常に繊細で、風雨や飛翔生物の衝突によって簡単に朽ちてしまう。


 網の上で10日以上を蛹で過ごすクモヒメバチの幼虫は、この問題を解決するために、蛹になる直前、つまり捕虫させる必要がなくなった段階で、クモの体内に何らかの物質を注入してクモの脳神経を操作して網を都合よく張り替えさせてしまうのだ。


こういう話が好きでしてねー。自然界の寄生とかちょいグロとかそういうのが、じゃないですよ(グロは好きですが)。

クモヒメバチの幼虫は、クモの脳を操作して網を張り替えさせる。その網は、このクモが脱皮時に張る通常より強度のある網をさらに強化したようなものだそうです。そして網を支える通常の糸のほかに、装飾用の糸が付いている。この糸は紫外線を反射し、鳥や昆虫がぶつかって網を壊してしまうのを防ぐ働きがあると。

ぼくがこういう話を好きなのは、謎、があるからです。この話の謎は、主に「意味」と「進化」についてですね。

クモや昆虫は言語を持っていません(たぶん)ので、寄生した幼虫はクモの脳内に「丈夫な網を張れ〜」と語りかけてるわけではないです。丈夫な網を張りたくなる気持ち(ってクモにあるのかな……)を、脳を操作して起こさせてるのです。それって、どうやってんの?ってのが、さっぱりわからんなぁと思う。種も違う、脳の構造も違う生物の脳をどう操って、自分に都合のいい行動をさせているのか。言葉はないけど、両方の生物にとって「丈夫な網」という意味は同じものなのだと思う。ここにはある種のコミュニケーションがある。

それと、どうやってこの進化は起こったのか、ですね。進化論的に説明すれば、適者生存、うまくいったものだけが生き残った、ってことになるんでしょうけど、脳を刺激する方法なんて無数にあるんじゃないですか。ある刺激では弱い網を張るかもしれない。別の刺激では網を張らないでただ歩きまわるだけかもしれない。それよりたぶん、ほとんどの刺激は、何も起こらないか無駄な行動を起こさせるか、どちらかになると思うんです。うまくいくケースなんてほんのわずか、奇跡に近いのじゃないか。

しかし現にそういうことが起きている。ということはなんなのか。どう説明できるんだろう。というのがこの手の話がぼくを惹きつけて止まないところなんですね。今の進化論的な何かではまだ説明しきれてない部分があるか、ぼくの「確率に対する感覚」が間違ってて、この手の話は思ったより「よくあること」なのか。それともまさかのまさか、生物は好きな方向に進化できるのか(笑)。いや、ないとは思うんですけど、よくいる「何かに似過ぎてる昆虫」、あれ見ると、ただの突然変異・自然淘汰の組み合わせでここまでのものができるのか?って思っちゃいますよね。