すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

弟の子供

元旦に実家に戻り(と言っても都内)、初めて弟の子供に会った。弟と先日なんとなく和解するまでは、正月に弟家族がこちらに来ていても会うのを避けていたのだ。奥さんとは結婚式以来、子供とは5歳にして初顔合わせだ。

弟の子供なのだからぼくは「おじさん」だ。それは当然そうであり予測の範囲内だ。しかし、弟が彼(男の子だ)に「パパ」と呼ばれていることにはなかなかショックを受けた。パパかよ! まぁそうだよなぁ……という。

子供はまともだったので安心した。まともでない子供とそして親はいっぱい見ていたからちょっと心配していたのだ。しかし平気だった。元気で、よくしゃべり、動き回り、人見知りをしない。というかちょっと元気すぎる。子供は彼ひとりなのにおもちゃを持って大人のところへ突っ込んで行く。奥さんが、他に人がいるから私があまり怒れないのを知っていてはしゃいでいるのだ、と言う。

思ったのだけど、5歳児というのは、まったく小岩井よつばだ。あれは漫画だと思っていたのだけど、ほんとうにあんななんだった、言動も行動も。家の中に赤ペンで引っかいた跡が増えてる。お茶を入れてあげる!と言ってばちゃー、とこぼす。おせちは甘いものばかり食べる。家に帰ってから『よつばと!』を読んでみたら、なんか、笑えなくなっていた。いやこれフツーだよね……みたいな。そしてよつばの周囲の大人たちのこともなんだかちょっと違って見えた。みんな、優しいのだ。9巻の焼肉の回のやんだとか超やさしくてカッコいい。

んでそんな子供にじゃれ付かれて懐かれて、良かった。変なオーラが出てたら子供は寄ってこないから。そうではなかった。後ろに回り込んでちょっかい出してきたり膝に乗ってきたり。抱きかかえてみたけど子供軽い。20Kgないらしいがそんなもんらしい。さんざん仮面ライダーごっこをした。いちいち彼が説明をしてくれるのだけど、こんな時に宇野常寛さんの『ゼロ年代の想像力』で得た平成ライダーの知識が役に立つとは……。ごっこと言っても、カードを奪ってみろ! やー! たー!みたいのをただ延々やってるだけだ。これはいつ終わるんだろう……と思いつつ延々1時間以上付き合っていた気がする。

子供は可愛い(男の子でも可愛かった)。まったく、あの可愛さは他人の子ならではだ。ひたすらおいしい部分だけを享受してきた。弟が、やっぱりひとりの方が楽だよね、と言う。あたりまえだろ、と返す。ぼくは君が再婚するって言ったとき、うっわー懲りてないんだ……と思ったものだ。でも、人は、どちらかしか選ぶことはできないのだ。誰かといるか、ずっとひとりでいるかだ。そして君の選択は間違っていなかったらしい、とぼくは感じたけどね。まぁ隣の芝生だ。

泊まっていけー、とか彼(子供)は言っていたのだけど、帰る、と告げるとぴたっと動きが止まり、うんわかった、バイバイ、と言った。かしこい、と思った。次に会うのはいつになるかわからないけど、あんまり間を開けるときっと忘れられてしまうだろうな。