すべての夢のたび。

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逆さまネタ続き

この写真は、セルビアに暮らす28歳の女性ボジャナ・ダニロヴィッチさん(Bojana Danilovic)が新聞を読んでいる様子をとらえたものですが、多くの人が「新聞が逆さまだよ。動揺しているの?」と思ってしまうでしょう。ところがボジャナさんにとっては、この読み方が正常だといいます。


元記事の写真は新聞を読んでいるらしい女性。目が悪いかのようにちょっと寄り過ぎ、そして新聞が逆さま。

ボジャナさんは、世界的に見ても非常に稀な障害「spatial orientation phenomenon」を患っています。その障害「spatial orientation phenomenon」とは、新聞やコンピュータ画面などが逆さまに見えてしまうというもの。脳の中でイメージが浮かび上がる際に、逆転してしまうといいます。


プリズムが入っていて映像が逆に見えるメガネを掛けて生活する、という実験があります。最初の何日かはまともに動けない。例えば自分が手を前に出すと、自分の目には向こう側から自分の手が出てくるように見えるわけです。ところが、数日経つと脳が状況に慣れてしまう。プリズムメガネを掛ける前と同じ、ふつうの見え方になるといいます。それくらい脳の順応性は高い(メガネを外すと今度はまた逆に見えるらしい)。

でもこの人の場合、異常が出てるのが視覚プロセスのそこより後ろの部分なんでしょうね。だからいつまで経っても逆のままなんだろうと思う。

評議会で経済学の専門家として働いているボジャナさんは、新聞を逆さまに読み、さらにパソコンも画面とキーボードを逆さまにして使っているそうです。自宅では、ボジャナさん専用の逆さまテレビを見ているそうで、家族は、別に設置された家族専用の普通のテレビを見ています。


更に興味深いのがこの部分の記述。この人はどうやら視覚全体が逆さまに見えているわけではないらしい。全部逆さまだったらプリズムメガネ実験の初期のように、まともには行動できないと思うんですよね。でもこの人はちゃんとしたふつうの仕事を持って生活しているようです。おそらく、「新聞」「パソコンやテレビの画面」「キーボードの表面」みたいな、"周囲の風景から意味を持って切り取られた範囲"だけ逆に見えるという、そういう症状なんじゃないでしょうか。

詳細はわかりませんが、人の顔が逆さまに見えてないことを祈りましょう。それはちょっとこわすぎる。キーボードが逆ならマウスは逆に持って使うのかどうなのか。クリックは左右逆なのかどうなのか。そこもちょっと気になるw