『ハイゼンベルクの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか』を読み終わりました。むつかしー数式はわからんので、結論を書いてしまうと、不確定性原理の説明によく出てくる「観測対象の粒子の位置を確定すると運動量のあいまいさが無限大になり、運動量を確定すると位置のあいまいさが無限大になる」という説明は、間違っていた、ということのようです。どちらかを確定しても、もう一方は有限の値に収まる、どころか、測定精度を上げればいくらでも誤差は小さくすることが可能なのだ、ということを「小澤の不等式」は示しているらしい(ただし消せるのは測定誤差で、量子そのもののゆらぎは残る)。有名なアインシュタインとボーアの論争についても、小澤の不等式を使って考えた場合は、ボーアの反論は有効たり得るものになっていないとか。
…って、それ、とんでもなくないか。「賞」が取れちゃうんじゃないのか??
で、なんでそんなすごい理論が世には知られていないわけ? 実は東北大の小澤正直教授によるこれらの論文の論文誌への掲載がほんとうにごくごく最近、今世紀に入ってからのものであり、また、実験で検証するにもまだまだ装置の精度が不足しているからのようです(重力波の検出/量子コンピュータの実現クラス)。そういうことなら、もしかして生きているうちには、歴史が作られる瞬間を見られるかもしれないですね。