すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

ITなひとだけ笑えるネタ。

笑えないかも。


わたしの近所のプロジェクトで採用されている、斬新なプログラム開発手法についてご報告いたします。「IST」といいます。ISTとは「いきなりシステムテスト」の略です。どんな感じに進むかと申しますと、

  • システムテスト行程開始!
  • 試験担当者がバグ報告票を書きます。
  • 「バグ:アプリケーションのアイコンがありません」
  • 開発担当者が対応します。
  • 「理由:アプリケーションのアイコンを作っていませんでした」
  • 「対処:アプリケーションのアイコンを作りました」
  • 試験担当者がバグ報告票を書きます。
  • 「バグ:アプリケーションのアイコンをクリックしても、なにも起きません」
  • 開発担当者が対応します。
  • 「理由:メイン処理がありませんでした」
  • 「対処:メイン処理をコーディングしました」
  • 試験担当者がバグ報告票を書きます。
  • 「バグ:(再)アプリケーションのアイコンをクリックしても、なにも起きません」
  • 開発担当者が対応します。
  • 「理由:ウインドウを作成していませんでした」
  • 「対処:アプリケーションのウインドウを表示するようにしました」
  • 試験担当者がバグ報告票を書きます。
  • 「バグ:ウインドウが真っ白です」
  • 以下、延々続く。

だいたいこんな感じで、試験を進めながらアプリケーションが作成されていきます。


どういうわけか、プロジェクトの開始は必ず予定より遅れます。なのにどういうわけか、納品日は延期されないわけです。そこで「IST」です。この開発手法の素晴らしいところは、プロセスをいきなりシステムテストから開始することができ、通常の開発手法では必須であるはずの要件定義や設計、実装行程や結合試験を、まるまるすっ飛ばすことが可能であることです。難点は納品日が近づいてもバグが収束しないケースがあったり、最後に何ができるのかよくわからなかったりするところですが、些細なものです。納品さえしてしまえば問題ありません。

まぁ、斬新って言いましたけどそんな斬新でもなく、ISTに近いことははよく行われているんじゃないかと思ってます。ITに詳しくない皆様も、こういう業界の実態を覚えておくと、「システムが止まりましたー」系ニュースを「これか? これのことか!?」と楽しむことができると思いますよ。