すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

「痛み」と「辛さ」は切り離せる

脳の中の「わたし」』P114より。

 さらに、慢性的な痛みに悩まされている患者さんに対して、脳の前部帯状回を人為的に損傷させる治療法があります。この治療を受けた患者さんは、手術後も同じように痛みを感じるものの、その痛みに対して辛いと感じる感情的な反応がなくなり、痛みに悩まされることなく日常生活を営むことができるようになります。


かなり衝撃的な記述です。何が書いてあるのかは理解できますが、自分の身に置き換えてみることがどうしてもできません。

ぼくの場合はもちろん「痛み」と「辛さ」は一体のもので、どこか切ったりぶつけたり、原因の判らない痛みがあったら、痛みの辛さ(まさにこうとしか書きようがない…)を感じ、すぐ不安や嫌な感情に襲われ表情も曇ることでしょう。しかし、慢性的な痛みを感じながら平気で日常生活できるというのは、ちょっとどうなんだそれは、という感じです。

これだけの記述からではよく分かりませんが、痛みがあっても、それは警告ランプが点灯するような感じで、ずっと警告出てたらちょっと医者行かないとだめかなーみたいな感じなのでしょうか。それとも、実際すごく痛みがあるのだけど、ふむふむ、という感じなのでしょうか(想像できないので言葉が追いつかない)。

生まれたときから痛覚神経がない無痛症の人は、痛み=体の危機という本能が機能していないので、病気やケガに気づかなかったり体を酷使してしまったりして、寿命が短いらしいです。しかしこちらの治療法は、本能に物理的に手を入れて行動を変えてしまうわけですよね。今はまだ脳のことがよくわかっていないため、脳の病気や頭にケガをしたときに出てくる症状から類推して「切り離す」治療が主なようですが、そのうち「繋ぐ」治療法も出てくるのじゃないかと思います。

遺伝子を組み替え、脳をいじり回す。こういったことが始まった時点で人間は生物として新段階に入ってしまったのじゃないかなーとぼくは思います。そしてまだ倫理はぜんぜん追いついてない(せいぜい「禁止!」くらいしか言えない)。もちろんぼくはどんどんやっちゃえー!派です。