すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

でも今日はいい日でした

X年前の12月24日、インドの首都デリー近郊のインディラ・ガンジー空港到着ロビーで、わたしはそれを見た。針葉樹ではあるけれど絶対にモミの木ではない、奇妙にねじくれた高さ数メートルの木に向け、四方からリボンが伸びている。先端に星はない。数も種類も少ないオーナメントは、飾り付けたというより、下から投げて枝に引っかけたように見える。その向こう側の壁に"Merry Xmas"の文字があることで、かろうじてこれが他の宗教ではなく、キリストの生誕を祝うために設置されているのだと理解できた。

ホテルのテレビでは(冬にお湯も出ない宿をホテルと呼びたくはないのだけれど)、インド人による聖歌隊、インド人牧師の説教が映し出されている。浅黒い肌。違和感バリバリ。しかしその違和感も、比較元はニッポンのクリスマスなのだ。白人から見ればおそらくどっちもどっちなのだろう。

翌25日、ホテルを出てニューデリー駅の観光案内所へ向かう。ソロでフリーなので初日のホテルしか決めていないのだ。そこらのインド人を捕まえて案内所の場所を聞く。「Today is a holiday.」「Andesuto?」 休み? クリスマスは休日なのかインド! やられた。そしてその話しかけたインド人に連れられてそのまま怪しげな事務所に監禁、勝手にタージマハル観光の予定を組まれ、金を巻き上げられ、アーグラーへ連行されたり、ガイドブックに載っているそのままの手口で絨毯を売りつけられそうになったり、両替で騙されたり、牛を見たり、信じられないほど美味いチャイを飲んだり、お約束で下痢をしたり、耳に変な液体を流し込まれて耳掃除されたり、カレーを食べたり、騙されたり、300Kmも列車に乗っても日本円で200円くらいだったり、乞食に追っかけられたり、LSDを勧められたりジキジキを勧められたり、インド人の子供は誘拐したいほど可愛かったり、また騙されたり、シーク教徒に取り囲まれたり、帰国の飛行機に乗り遅れそうになったり、成田に着いたとき財布に1000円しかなかったり、下痢が帰国後2週間も治らなかったり、いろいろ活躍したんですが、それはまた別のおはなし。別のおはなしなんだけど、他でいっぺん書いたから、もう書かないと思います。