すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

第10番惑星の占星術的意義

元似非占星術師が適当に語る。


第10番惑星の発見は、占星術業界にとって2つの意味があります。1つは、これによって占いの精度が上がる可能性があるということです。つまり「今までの占いでは深く読み取れなかったり、解釈がしにくかった部分が、新惑星によって明らかになるかもしれない」という考え方です。もう1つは、商売として。「うちの占いのほうが星が1つ多いよ!」というわけです。

実際のところは、新惑星が占いの精度にもたらす影響は、微々たるものでしょう。遠いし、小さすぎる。インド占星術では天王星・海王星・冥王星は使わないくらいです(発見が最近だから、ってのもあるでしょうけど)。でも商売の差別化が難しいこの業界では、新惑星の発見はトピックとして大きく取り上げざるを得ないでしょう。

西洋占星術では、「惑星がどの星座にあるか」「惑星と他の惑星が作る角度」を問題にします(ハウスは思い切って無視)。ただ、新惑星は遠すぎるので、公転周期が560年と長いです。ということは、ひとつの星座に数十年の間、居座り続けることになります。つまり、そのころ生まれた人はみな「××座に新惑星がある」ので、個人の特徴というより、その世代の特徴として、惑星の影響が現れてくることになります。これでは占いに使いにくいため、実際には、新惑星と他の惑星が作る角度(アスペクト)によるリーディングが主となるでしょう。

今までの惑星は全て、ギリシア・ローマ神話の神から名前を取っています。しかし、新惑星の発見者は、今回別の伝説からの名前を提案しているようです。あまりに常識外れな名前でなければ、それは受け入れられ、その神の特性が、新惑星の「基本的な意味」になるでしょう。善なる神なら幸運の星に、悪神なら凶星に。それでいいのかと思われるでしょうが、いいのです。はじめから「そうなるべきさだめ」であった、というだけのことであり、問題はありません。

新惑星のさらに深い意味は、過去のデータに当てはめてみて、決定されることになるでしょう。歴史上の人物のホロスコープに新惑星を描いてみて、とりあえず仮の意味で読み取ってみる。その人物の一生をより上手に表現できる読み方が見つかれば、その読み方が「業界」に提案され、多くの占星術師によって討論されます。そしてだんだん「真の意味」に近づいていくことになるでしょう(もちろん必ず「反対派」がでてきて、「こちらの読み方が本物である」と主張するでしょう)。

おそらく既に、占星術ソフトの開発者たちは、新惑星の軌道を自分のソフトに組み込むべく、情報収集に奔走しているものと思います。