言葉を使うから間違うのだ、という考えは昔からあって、「今度会うとき、最初から最後まで、ふたりとも話をしないのってどう?」っていうのを提案したことがあります。
たとえば、自動販売機の前に連れていったら、それは“のどがかわいた”ということだし、ベンチに連れていったら“ひとやすみしたい”ということです(別にカフェだったりホテルだったりでもいいのですが)。そんなふうに、言葉を使わない。言葉を使うから、話す端から“ああ、こんなこと言いたかったんじゃないのに!”と思ってしまったり、逆に、「言葉が喋ってしまった」ことを「自分の本心だと勘違い」してしまったり、ということがなくなるんじゃないかな、と考えたのです。ちゃんと、相手の目を見て、ほほえんでみせたり、“イヤだ”という表情をしてみせたりして、気持ちをきちんと伝えるようにする。最後は笑って手を振って別れる。そうすることで、言葉に頼るより深く相手とつながることができるのではないか?
……というのは、どう?って、うちの奥さん(結婚前)や、そのまえに少し付き合ってたひとに提案し、説明してみたことがあるのですが、コンセプトを理解していただけず、実現には至りませんでした。友人Y(女性らしい)にも聞いてみたんですが、「デートで話をしないとかありえない。意味わかんない」と一蹴されました。やっぱり女性的には、そういうのは考えにくいものなのでしょうか。それとも女性だとか関係なくもっと一般的な見地からしてどっかオカシイ、ということだったのでしょうか。後者であったほうが安心できる気はします、なんとなく。前者だとすくわれない。
いずれにせよ、今後実行される見通しもまったくないので、わたしの死と同時に廃棄される予定のプランです。
でもデイリーポータルZあたりでやりそうな気もしないでもない。