すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

ここが宇宙の中心でした

われわれがいる宇宙は、今そう見えているよりももっとずっと古くないのはなぜか。もっと若くない理由は理解しやすい。星ができて、生物学的な複合体に必要な重い元素を生み出すには時間がかかるからだ。しかし古い宇宙にもそれなりの問題がある。この宇宙で時間が経過するとともに、恒星形成の進み方は遅くなっていく。恒星の原料となるガスや塵は、恒星が加工して、恒星間空間に排出される。そこではガスや塵が冷えて新しい星にまとまることができなくなる。星が少ないということは、惑星系も少ないということだ。

宇宙の定数


以前した質問、

question:1120826679:detail

これで、有力だなと思った回答は、id:Insiteさんの「宇宙の年齢と恒星系の年齢は近くなる」というものと、複数の人からの「宇宙ははじまったばかりで、たまたま私たちは宇宙が若い頃に生まれたのだ」というものでした。

で、後者の人から「“今”を基準に考えているのは知的生物の傲慢だ」とか言われてしまったわけですが(傲慢なのは否定しませんが)、『宇宙の定数』によると、そうではない。どうも、人間のような生命体は、“今”しか存在できないようなのです。(ただしこの“今”は数億年の幅はあると思います)


簡単にいうと、上の引用部分の通り、宇宙ができて初めのころは水素やヘリウムなどの軽い元素しかないわけです。星間ガスから恒星が生まれて核融合によってもっと重い元素、酸素やら炭素やらを作り出すにはそれなりの年月(数十億年?)がかかる。ビッグバンからそのくらいの時間が経過しないと、人間のような生物は生まれることができないのです。では、この後はどうなるのかというと、宇宙は膨張している。しかも最近の観測結果によると膨張速度は加速しているらしい。つまり、これからどんどん宇宙は「薄く、冷たく」なっていってしまうのです。恒星もできにくくなり、したがって惑星もできにくくなる。できる惑星も不活発な材料ばかりで作られるため、地下のマントルなどの運動も乏しく、磁場が弱くなって、恒星からの荷電粒子で火星のように大気を吹き飛ばされてしまうだろう、とのことです。

要するに、びっくり、わたしたちは特権的な場所にじっさいに立っていたのだ、ということでした。あらまぁ。Insiteさんの「宇宙の年齢と恒星系の年齢は近くなる」は、ちょうどそのタイミングのころに(つまり“今”)知的生物が生まれ、宇宙の存在に気づく、という意味です。