すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

デザイン画の見方(が、わかりません)

「脱オタクファッションガイド」はオタク以外の人は買わないと思います。私も正直手にとるのも抵抗があったし読み進むのも苦痛でした。(内容が悪いといっているのではなく、全部がオタク系漫画で占められていることが)でも、それがオタクではない者(特に女性?)の正直な気持ちだと思います。

私はそのような本にはしたくなかった。「脱オタクファッションガイド」は出版社との企画段階で目にしたのですが、私はオタクだけでなく「オシャレになりたいと思っているすべての男の子」に読んでもらいたいと思ったのです。


『電車男スタイリング・バイブル』の著者の菊池さんの、Kammy+さんのレビュー記事へのコメントより。うん。お気持ちはわかります。しかしですねー、ぼく(という一オタク)からすると「バイブル」に載っているようなファッションデザイン画をどう見ればいいのかよくわからないわけですよ。それが「バイブル」の実用性にかなり影響している。


2005A/W電車男ファッションコーディネイトコンテスト入賞者発表♪

こちらに、「バイブル」にも載ってる、コンテストの最優秀作品以下3点のデザイン画があります。たとえば、そのうちの「電車男賞(準優秀賞)」の東美里さんの作品。絵じたいは味があって上手かも、と思う。しかし、「バイブル」を見るとこういうキャプションが付いています。

パープルのインナーTシャツ ¥6,510 (MELROSE)
うさぎTシャツ ¥4,830 (UG)
ピンクのパーカー ¥14,700 (MELROSE)
ベスト ¥48,900 (エリミネイター)
パンツ ¥22,050 (N.HOOLYWOOD)
レザーベルト ¥12,600 (MELROSE)
スニーカー ¥19,740 (MELROSE)
ボンサックバッグ ¥22,000 (BAGGY PORT)


「高!」とか、「スニーカーまでメルローズかよ!」ってのは置いといて、ぼくがさっぱりわかんないのは、たとえばこの絵のパーカーのどこが「メルローズの¥14,700のやつ」で、ベストのどこが「エリミネイターの¥48,900のやつ」なのか、というあたりです。写真ならともかく、これでどうやって「う〜ん、ファッショナブル」と判断をくだしているのか、わからない。

  • 純粋に、絵の情報のみで判断している。
  • 絵の情報から、脳内で「実物ならこうなるはず」と変換して判断している。
  • コーディネートに出てくるブランド名のみで判断している。
  • ブランド名とアイテム名から超大容量な記憶データベースを検索、脳内でコーディネートを合成して判断している。
  • ブランド名からブランドの特徴をリストアップ、それを元に脳内でコーディネートを合成して判断している。

どうなんだ。うさぎTシャツの下にちろっと見えるパープルがユニクロだと判断が変わるのか。そのへんが知りたいのです。

で、これは準優秀賞ですが、「エルメスグランプリ(最優秀賞)」の原田悠美さんの作品はユニクロ中心のコーディネートなんですよね。キャプションはこう。

ボーダーのインナー ¥2,900
カーゴパンツ ¥2,900
ベルト ¥1,000
ニットキャップ ¥1,500
(すべてユニクロ)
ジャージのブルゾン ¥6,000 (アディダス)
スニーカー ¥5,900 (コンバースハイカット)
iPod nano ¥27,800 (Apple)
麻のバッグ ¥5,000 (JAGO)


でもって、最優秀賞に付けられた講評。

  • これが今回の「電車男ファッションコーディネイトコンテスト」の「エルメスグランプリ」なんですね?
  • なかなかいいでしょう? ほぼ満場一致です。で、どこがいいと思う?
  • 高い服じゃないのにセンスよく着てるから、ですよね?
  • その通り! 見てください。インナーもパンツもユニクロです。ユニクロだってうまくチョイスして他のブランドを組み合わせれば、十分おしゃれに着こなせるアイテムってことですよ。(以下略)


強調は原文ママ。ちょっとマテやー! 「センスよく着てる」とかって、それは絵だー! 「その通り!」じゃねー!って思う。思いません? 「見てください」って言われても絵じゃユニクロってわからんよなぁ(わかるんならそれもまたすごいですが)。満場一致ですか。この絵に「ユニクロ」って書いてなかったら? 準優秀賞の絵に「ユニクロ」って書いてあったら? とか思っちゃうわけですよ。

ああ、一般の人が「萌え絵」を見て「どこが“萌え”なの?」と聞くのもこんなキモチなんでしょうか。ここには“ファッション”があるらしい。どうにかしてぼくも「デザイン画」に“ファッション”を感じ取れるようになりたいものです。


最後に提案。「バイブル」著者の菊池さんがもし真剣に「オタクくんたちにオシャレになって欲しい」と思うのなら、TYPE-MOONと07th Expansionの次回作に「ファッションアドバイザー」として参加されたらよいと思います。これは本当に間違いないですからどうかご検討ください。(アルクェイドのとっくりセーターはどこのなんだろう)