すべての夢のたび。

1日1記事ぐらいな感じでいきたい雑記ブログ

謝らないのは、悪いと思ってないから、でしょう

高1の少年が同級生の首を切り落とした驚愕の事件。被害者の母はさながら
廃人のように生き、犯人は弁護士として社会復帰していた!
1969年春、横浜の高校で悲惨な事件が起きた。入学して間もない男子生徒が、
同級生に首を切り落とされ、殺害されたのだ。「28年前の酒鬼薔薇事件」である。


早速本を買って参りました。もちろんまだ読み始めたばかりですが。


心にナイフをしのばせて

心にナイフをしのばせて

 ――魔がさすという言葉があるだろう。悪魔がとりついたようにとんでもないことをした感じか?
「100%ありえない。一般の場合でも、一切は過去の人間に関連して生じるのだから」
 ――事件後大きな気持ちになったか?
「事件をプラスに生かして絶望的になるまいと考えた」
 ――加賀美君をやっつけて気分が晴々して気が大きくなったと思った。ちがうかい?
「……それもあります」
 ――今はどうか?
「……今っていうか……今もそういう……」


上は、精神鑑定書にあった、少年Aと家裁調査官との会話、の一部(太字の所は書籍では傍点)。

 少年Aは調査官に、「自分は将来、加賀美君の分とあわせて2人分働く」と語ったという。

 事件後、調査官は少年Aの父親に、息子がなぜこうした犯行におよんだのかとたずねた。すると「あのこと自体は見えない特殊な力で起きたことだ。祖父が金融業をやっていたのでその祟り」だと延べ、親としての責任を認めなかった。

「あの事件から1、2年、母はずっと寝込んでいたんです。それも毎日睡眠薬を飲んでいたから、1日24時間、ほとんど横になって眠りっぱなしだから、母はあの頃のことを憶えているはずがないんです。
 私は「あっ」と小さな声で叫び、くに子さんは口を開けたままみゆきさんを見やった。
「横になんてなっていないよ」とくに子さん。
「横になっていたんだよ、お母さん」とみゆきさんが言う。

「でも初七日とか一周忌とか、あるいは命日に親戚や友だちが集まったらいろいろ話も出るじゃないですか。そういうことも憶えていないのはどうしてですか?」
「ああ、それは簡単ですよ。お母さんは法事のたびに倒れていたんです。精神的に苦しくなると意識がなくなるんです」
 隣で聞いていたくに子さんは「嘘でしょう」と言ったが、みゆきさんの表情を覗き見るようにしながら、「ほんとにそうだったの?」と弱々しくたずねた。
「そうだよ」とみゆきさんは言った。
「悪かったね、知らなかった……」
 くに子さんは気落ちしたようにつぶいた。自分のことながら、はじめてそのことを知ったらしく、下を向いたままだった。


本を読むと、いじめられていたと主張してたのは少年A本人だけで、周囲の友人や教師は仲の良い2人と証言していた、という話も出てくる。まぁこの本は被害者側から書かれた本だし、本人がいじめられていたつもりであれば、そうなんでしょうけど。

全身47ヶ所も刺して首を切り落としたうえ自分の肩も切って「襲われた」と言い張るのもひどいし、被害者遺族の家庭崩壊も加害者が弁護士になってるのもひどい。で、2ちゃんねらーの「正義」はそれを許さないだろーなーとか(もう本人特定されてるようだし)、そういうのを「お話」として消費してる自分もひどいと思う(←それは今に始まった話では……)。

弁護士で、まだ良かったのかな。弁護士ならそれは当然「容疑者の味方」をするものですからね。

 当時の同級生によると、「少年院では六法関係の本を取り寄せ、法律の勉強をしていると聞いた。なんでも自分のやったことを正当化したいと必死に勉強しているという話だったが……」という。


まぁ法的にはOKでもぼくの気分的にはイヤですが。