すべての夢のたび。

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速度の感染

土曜日に買ってきた「サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)」を読んでいる途中なのですが、そんなん聞いた時ないっす、ってへんな実験があったので紹介します。


まず、画面上の一点(光点)をじーっと見つめてもらい、その点の色や明るさが変わったら素早くボタンを押す、という課題をやってもらうそうです。これで、被験者の基本的な反応速度を計っておきます。

次に、今度は光点の背景にこのようなムービーを流して、同じ課題をやってもらいます。

http://www.biomotionlab.ca/walking.php

見ていただくとわかりますが、「人が歩いてるように見える光点の動き」ですね。モーションキャプチャーのマーカーだけ表示したような状態。

このムービーを光点の背景に流し、先ほどの「光点に変化があったらボタンを押す」という課題をやってもらう。するとどうなったか。背景のムービーの速度に被験者が「つられる」という現象が起き、ムービーの速度を上げていくと、なんとムービーなしの状態の反応速度を上回ってしまう、という結果になったそうです。

ここでさらに面白いのが、対照実験として「背景ムービーの光点の動きを完全ランダムにした状態」でボタン押し課題をやってもらった時は、ムービーの速度を上げていっても被験者が「つられる」ことはなかった、ということです。

どういうわけだか、それが人間っぽい動きであるかどうかを人は無意識に検出してしまう。そしてその速度に“感染”してしまう。そんなことあるの?と思いつつ、なんとなくどこかで「あるのかも…」と感じてしまうような、不思議な実験でした。

いったいどこからこの奇妙なアイデアが出てきたのかというと、「なんで都会の人は田舎の人より歩くのも話すのも速いの?」という疑問からだそうです。正のフィードバックが働いてるってことでしょうか。


自分なりに要約して書いたので、本に載ってるおおもとの文章とは実験内容がいくらか違って見えるかも?ですが、そういうことがもしあったらぼくの責任です、ということで。